【宙わたる教室】原作は全何話?文庫本の発売日や購入情報も徹底解説

空に向かってジャンプする少年の後ろ姿とタイトル文字

「宙わたる教室」の原作、文庫本に興味を持っている方へ向けて、この記事では作品の魅力を徹底解説していきます。

物語のあらすじや背景や設定についてを詳しく紹介しながら、全何話で完結するのか、文庫本の発売日はいつだったのかなど、気になるポイントもわかりやすくまとめています。さらに、定価や中古価格の違い、電子版がどこで購入できるかについても触れていますので、購入を検討している方にも参考になるはずです。

また、「宙わたる教室」が漫画化されているかどうか、そして2024年度の課題図書に選ばれた理由についても紹介。

原作者である伊予原新(いよはら しん)氏についても、直木賞を受賞した受賞作や、初心者におすすめしたい文庫本作品を併せて取り上げます。これから「宙わたる教室」を手に取ろうと考えている方にも、作品の世界観をより深く理解していただける内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。


この記事を読んでわかること
  • 宙わたる教室のあらすじや物語の舞台設定を理解できる
  • 文庫本の発売日や定価、中古価格について把握できる
  • 漫画版の有無や電子版の購入方法を知ることができる
  • 原作者の伊与原新の受賞歴やおすすめ作品を理解できる

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目次

【宙わたる教室】原作・文庫本の魅力を徹底解説

「宙わたる教室」というタイトルの本を読んで空を見上げて感動の涙を流す青年
ボクのヒコーキ・イメージ
  • 「宙わたる教室」原作のあらすじと物語の舞台
  • 背景や設定について解説
  • 全何話で完結するのか
  • 文庫本の発売日はいつだった?

「宙わたる教室」原作のあらすじと物語の舞台

「宙わたる教室」の原作は、東京・新宿にある都立高校の定時制を舞台に、多様な背景を持つ生徒たちが科学部で出会い、火星のクレーター再現実験に挑戦する青春小説です。定時制高校という、昼間働きながら夜に学ぶスタイルの学校には、10代から70代まで、年齢も境遇もさまざまな生徒たちが集まっています。

例えば、負のスパイラルから抜け出せずにいる21歳の岳人、子ども時代に学校へ通えなかったアンジェラ、起立性調節障害を抱えて不登校となった佳純、そして中学卒業後すぐに集団就職を経験した70代の長嶺などです。

このような多様な生徒たちが、「もう一度学校に通いたい」という思いを胸に、理科教師・藤竹叶(ふじたけかなえ)のもとで科学部を立ち上げます。そして、学会発表を目指して「火星のクレーター再現」という壮大な実験に取り組み始めるのです。

舞台となる東新宿高校の教室は、夜の時間帯に開かれ、普段とは違った静けさと熱気を帯びた特別な空間になります。

この作品は、学び直しや再チャレンジの場としての学校の新たな一面を描いています。単なる青春小説ではなく、年齢や立場を超えてつながる人間関係や、科学を通じた成長の物語が展開される点が特徴です。物語の舞台設定が非常にリアルであり、読者は実際に自分もその教室にいるかのような臨場感を覚えるでしょう。

夜の教室という特異な環境が、登場人物たちの抱える悩みや希望をより鮮明に浮き彫りにしていきます。


背景や設定について解説

「宙わたる教室」について解説するレトリバーの解説者
ボクのヒコーキ・イメージ

「宙わたる教室」の背景には、現実に存在する定時制高校の科学部活動が大きな影響を与えています。このため、物語の中で描かれる環境や生徒たちの設定には、リアリティと説得力が宿るのです。

例えば、大阪府にある大手前高等学校定時制などでは、実際に地球科学をテーマにした研究を行い、学会発表に挑戦してきた生徒たちが存在。物語の科学部が取り組む「火星のクレーター再現実験」も、こうした実例をもとに創作されました。

また、舞台となる東新宿高校定時制は、都心にありながら、夜間に通う生徒たちを受け入れる柔軟な校風を持つ学校として設定されています。ここには、さまざまな理由で一度学びを断念した若者や、外国籍の生徒、社会経験を積んだ大人たちが集います。年齢や国籍、経歴の違いを超えて同じ教室で学ぶという特異な環境が、物語全体に独特の温かみと深みをもたらしているのが特徴です。

これを理解した上で読むと、「宙わたる教室」が単なるフィクションではなく、現代社会における教育や多様性の問題を丁寧にすくい取っている作品だとわかるでしょう。そして、科学の世界が特別な才能を持つ人だけのものではなく、誰もが挑戦できる普遍的なものであるというメッセージも、背景設定から自然と伝わってくるのです。

この小説の設定は、今の時代に求められる学びや社会との関わり方そのものを象徴した姿とも言えます。

参考資料:「定時制課程・通信制課程の現状について」文部科学省


全何話で完結するのか

「宙わたる教室」の本を片手に人差し指を立てる笑顔の女性
ボクのヒコーキ・イメージ

「宙わたる教室」の原作は、全七章構成で完結しています。各章は独立したエピソードを持ちながらも、物語全体としてはひとつの大きな流れを形成しており、科学部の成長と学会発表までの道のりが描かれました。

章立ては以下のようになっています。

  1. 夜八時の青空教室
  2. 雲と火山のレシピ
  3. オポチュニティの轍(わだち)
  4. 金の卵の衝突実験
  5. コンピュータ室の火星
  6. 恐竜少年の仮説
  7. 教室は宇宙をわたる

このように、七つの章を通して、生徒たち一人ひとりの成長や、科学への挑戦、そして仲間との絆が丁寧に描かれています。各章ごとに中心となるテーマや実験が異なり、それぞれの章に込められた意味を読み取る楽しさも味わうことができる作品です。

ただ単に章を積み重ねるだけではなく、各エピソードが後の展開に深くつながっているため、読み進めるごとにキャラクターたちへの感情移入が自然と深まっていきます。一方で、全七章という比較的コンパクトな構成のため、物語に無駄がなくテンポよく進んでいくのも本作の特徴です。

本作は、以下の内容でドラマ化されました。

  • NHK「ドラマ10」で全10話として放送
  • 2024年10月8日から開始され、12月10日に最終回を迎えた
  • 主演は窪田正孝(藤竹先生役)

なお、2024年から連載が始まった「シーズン2」は、前作から6年後を描く続編となりますが、原作「宙わたる教室」としてはこの全七章で一旦完結しています。こうした構成は、忙しい読者でも達成感を持って読み終えることができる工夫の一つと言えるでしょう。


文庫本の発売日はいつだった?

「本日発売!」ののぼりを背景にたくさんの「宙わたる教室」の本をたたき売りする威勢のいいおじさん
ボクのヒコーキ・イメージ

「宙わたる教室」の文庫本は、2023年10月20日に文藝春秋から発売されました。この日は、全国の主要書店やオンラインストアで一斉に取り扱いが始まり、多くの読者にとって待望の発売日となりました。

出版された文庫本の仕様は四六判サイズの並製カバー装で、ページ数は288ページです。通常の文庫より少し大きめのサイズ感となっており、手に取りやすく、なおかつしっかりと読み応えがあるつくりになっています。価格は定価1,760円(税込)で設定されており、発売当初から話題作として注目を集めました。

ここで注意したいのは、「宙わたる教室」が発売された2023年10月20日時点では、漫画版(コミカライズ版)は存在していないということです。つまり、書店などで探す際には「小説」としてのコーナーを目安にするとスムーズでしょう。

また、電子書籍版もほぼ同時期に配信がスタートしていますので、紙の本が手に入りにくい場合は電子版の購入もおすすめです。楽天KoboやKindleなど、複数の電子ストアで取り扱われているため、自分のライフスタイルに合った形式で読むことができます。

「宙わたる教室」の文庫本発売日は2023年10月20日で、そこから現在に至るまで、多くの読者に親しまれ続けているのです。

【宙わたる教室】原作・文庫本の購入に関する情報まとめ

「宙わたる教室」の本を見比べて悩むレトリバー
ボクのヒコーキ・イメージ
  • 宙わたる教室の定価と中古価格を比較
  • 漫画化はされている?
  • 宙わたる教室が課題図書に選ばれた理由
  • 宙わたる教室の電子版はどこで購入できますか
  • 伊与原新のおすすめ文庫本と直木賞について

宙わたる教室の定価と中古価格を比較

「宙わたる教室」の単行本の定価は、税込み1,760円です。本体価格は1,600円、そこに消費税が加算された形となっています。この価格設定は、四六判サイズの並製カバー仕様という、通常の文庫本より少し大きめでしっかりとした作りに合わせたものです。物語のボリュームと完成度を考えると、十分に納得できる価格帯だと言えるでしょう。

一方で、中古本としての販売価格は店舗やサイトによって多少異なりますが、だいたい1,400円~1,600円前後で流通しています。例えば、ブックオフのオンラインストアでは1,595円、ネットオフでは1,480円程度で販売されているケースが見られました。

中古市場では、新品との差額はあまり大きくないため、少しでも状態の良いものを手に入れたい人には新品購入も十分選択肢になります。

ここで注意したいのは、人気作であるために中古でも価格があまり下がっていないことです。特に保存状態が「非常に良い」などランクの高い中古本は、新品と百円程度しか差がない場合もあります。加えて、オンラインストアでは送料が別途かかることもあるため、最終的な支払い総額をよく確認してから購入することが大切です。

このように、「宙わたる教室」の購入を検討する場合は、多少の価格差よりもコンディションや購入タイミングを重視することをおすすめします。


漫画化はされている?

公園のベンチで「宙わたる教室」の本を読む3匹の猫の漫画風イラスト
ボクのヒコーキ・イメージ

現在、「宙わたる教室」は漫画化されていません。一部の電子書籍ストアでは「無料漫画」といった表記を見かけることがありますが、これは小説版の試し読みを指している場合が多く、実際に漫画版が存在するわけではありません。

この作品は、あくまでも伊与原新による小説作品として発表され、NHKによるドラマ化(ドラマ10枠で放送)でさらに注目を集めた経緯があります。ただし、ドラマ化されたことにより視覚的なイメージが強くなったため、「漫画もあるのでは?」と誤解する人が増えたのかもしれません。

また、もし今後漫画化される可能性があるとしても、公式からの発表は現時点ではありません。したがって、「宙わたる教室」を読みたい場合は、小説版を購入するか、NHKドラマ版を視聴する方法に限られます。

こうした情報を正しく把握しておくことで、間違った期待を抱くことなく作品を楽しむことができます。特に、読書感想文や課題として取り組む際には、小説版を基にした感想やレポートが求められるため注意が必要です。


宙わたる教室が課題図書に選ばれた理由

ミスユニバースに選ばれてスポットライトを浴びる女性

「宙わたる教室」が第70回青少年読書感想文全国コンクール・高等学校の部の課題図書に選ばれた背景には、いくつかの重要な理由があります。

まず、本作が単なるフィクションではなく、定時制高校におけるリアルな学び直しの場として描かれている点です。年齢や事情の異なる生徒たちが、科学という共通の目標に向かって努力し、互いに支え合いながら成長していく姿が、多くの高校生にとって大きな共感と学びをもたらすと評価されたのです。

さらに、この作品は科学の楽しさを伝えるだけでなく、挑戦すること、あきらめないこと、他者を理解することの大切さを丁寧に描いています。言ってしまえば、単なる成功物語ではなく、失敗や葛藤も含めたリアルな青春群像劇として、多様性と包摂の意義を伝えている点が高く評価されました。

このようなテーマは、今の高校生たちが直面している現実とも深く重なっています。進学、就職、人間関係、社会との関わりなど、さまざまな課題を抱える若者たちにとって、「宙わたる教室」は、自分自身を見つめ直すヒントや勇気を与えてくれる作品なのです。

また、文章が平易で読みやすいことも、課題図書に適している理由の一つです。科学的なテーマを扱いながらも、難解な専門用語は極力避けられており、読者は自然な流れで物語に引き込まれていきます。これにより、科学や理科に苦手意識のある生徒でも、抵抗感なく読み進めることができるのです。

このような理由から、「宙わたる教室」は2024年度の課題図書に選出され、全国の高校生に推奨される一冊となりました。

「宙わたる教室」の電子版はどこで購入できますか

タブレットで電子書籍を検索するレトリバーのパイロット
ボクのヒコーキ・イメージ

『宙わたる教室』の電子書籍版は、複数の主要なオンライン書店で取り扱われています。読者の利用環境や好みに応じて、以下のプラットフォームから選択が可能です。

これらのプラットフォームでは、専用のアプリやリーダーを使用して、スマートフォンやタブレット、PCなどで快適に読書を楽しむことが可能です。また、各ストアでのキャンペーンやポイント還元も活用すると、よりお得に購入できる場合があります。


伊与原新のおすすめ文庫本と受賞作について

手ぶりをまじえてインタビューに答える男性
引用:PRESIDENT WOMAN

伊与原新(いよはらしん)氏は、科学をテーマにしながらも、繊細な人間ドラマを融合させた作品を多く手がける小説家です。

もともとは地球惑星科学を専門とする研究者であり、科学的な知識に裏打ちされたリアリティのある物語展開が特徴です。そんな伊与原氏の文庫本作品の中でも、特に高い評価を受けているものを紹介します。

おすすめ作品

  • 『月まで三キロ』
    • 日常生活の中に潜む科学の魅力をテーマにした短編集
    • 第38回新田次郎文学賞を受賞
    • 静岡書店大賞や未来屋小説大賞なども受賞
    • 科学に詳しくない読者でも心に響く温かいストーリーが高く評価
    • 人生に迷ったときに読み返したくなるような、優しい作品集
  • 『八月の銀の雪』
    • 科学と人間の関係をテーマにした短編集
    • 第164回直木賞候補作
    • 2021年の本屋大賞で6位にランクイン
    • 誰もが抱える小さな悩みや葛藤に寄り添う物語が並ぶ
    • 科学の話題に馴染みがない人にも、自然体で受け入れられる作品
  • 『オオルリ流星群』
    • 高校時代に交わした夢を胸に、大人になって再会する仲間たちを描いた感動作
    • 科学的なモチーフを織り交ぜながら、友情や夢、再起といった普遍的なテーマを温かく掘り下げる
    • 青春小説としても高い完成度を誇る

受賞歴

『お台場アイランドベイビー』

  • 第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞
  • 作家デビューのきっかけとなった作品
  • 近未来の日本社会を背景にしたミステリー作品
  • 早くからストーリーテリングの力を評価される

『月まで三キロ』

  • 第38回新田次郎文学賞を受賞
  • 文学界での地位を一段と高める

『藍を継ぐ海』

  • 2024年下期の第172回直木賞を受賞
  • 最新の受賞作
  • 科学的テーマを背景にしながら、日本各地の自然や文化、そして人々の営みを描いた短編集
  • 多くの読者に深い感動をもたらす

このように、伊与原新氏の作品は、単なる知識の披露ではなく、科学を通じて人間の心に寄り添う物語を紡いでいる点が大きな魅力です。

科学に興味がある人はもちろん、人生に迷ったり、希望を見つけたいと感じているすべての読者に、ぜひ手に取ってもらいたい作家だと言えるでしょう。直木賞受賞によって、今後さらに多くの人にその魅力が伝わっていくことが期待されています。

「宙わたる教室」原作 文庫本の内容を総まとめ

この記事のポイントをまとめます。

  • 東京・新宿の定時制高校が原作の舞台
  • 多様な年齢や背景を持つ生徒たちが登場
  • 科学部を立ち上げ火星クレーター実験、学会発表に挑戦
  • 夜間の教室を舞台にした青春群像劇
  • 現実の定時制高校科学部を参考にした設定
  • 学び直しや社会との再接続がテーマ
  • 科学の面白さと多様性を描く小説
  • 物語は全七章構成でコンパクトに完結
  • 各章ごとに中心となるテーマが設定されている
  • 文庫本は2023年10月20日に発売
  • 新品定価は税込1,760円
  • 中古市場では1,400円~1,600円程度で流通
  • 漫画版は存在せず、小説版のみが展開されている
  • 電子版はKindleや楽天Kobo、hontoなどで購入可能
  • 第70回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選出

最後までお読みいただきありがとうございました。

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