【戦闘機の体験搭乗（一般向け）】料金と日本・海外の違いを徹底解説

2025年7月18日

戦闘機の圧倒的なスピードと迫力に憧れ、「戦闘機体験搭乗一般」と検索する方は少なくありません。しかし、実際に一般人が体験できる内容や条件、料金の相場については、情報が分かりづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、体験搭乗の現実と可能性を丁寧に解説していきます。日本国内での体験搭乗はどのような機体に搭乗できるのか、F15戦闘機の体験搭乗は本当に可能なのかといった疑問に加え、アメリカをはじめとした海外での体験との違いや、料金・費用の目安についても詳しくご紹介します。

また、「どうすれば戦闘機体験搭乗に当選しやすくなるか」といった実践的なポイント、自衛隊記念日の体験飛行が行われる時期、自衛隊で一番きつい訓練とは何か、自衛隊で一番給料が高い仕事はどのような職種かなど、体験搭乗に関連した知識も併せて解説。

これから戦闘機の体験を目指す方、航空自衛隊や体験搭乗の制度に興味のある方に向けて、信頼できる情報をわかりやすくお届けします。

この記事を読んでわかること

日本で一般人が体験搭乗できる機体の種類と条件
F15戦闘機に一般人が搭乗できる可能性と現実
海外での戦闘機体験搭乗の料金や場所の情報
当選しやすくなるための応募のコツや注意点

【戦闘機の体験搭乗】一般の現実と可能性

【体験搭乗】日本での参加条件と注意点
F15戦闘機の体験搭乗はできるのか？
【体験搭乗】料金費用の相場とは
自衛隊記念日の体験飛行はいつですか？
どうすれば戦闘機体験搭乗に当選しやすくなるか

【体験搭乗】日本での参加条件と注意点

日本で一般の人が自衛隊機に体験搭乗するには、あらかじめ定められた条件を満たす必要があります。特に重要なのは、搭乗の対象がF-15やF-2などの戦闘機ではなく、C-2輸送機やCH-47J輸送ヘリといった「支援機」に限定されている点です。

体験搭乗に参加するための主な流れは以下の通りです。

自衛隊の航空祭や記念行事、基地見学などの広報イベントに応募する
抽選により、当選者のみが搭乗体験できる
搭乗機体は主に輸送機・ヘリコプターであり、戦闘機は対象外

また、参加には次のような応募条件があります。

小学生以上〜75歳未満であること
日本国籍を有していること
健康状態に問題がないこと（高血圧・心疾患・持病がある場合は不可）
応募は「1会場につき1人1通まで」とし、複数応募や名義の使い回しは無効

さらに、注意点として次の点が挙げられます。

天候や整備状況により、当日でも中止になる可能性がある
当選しても参加できない場合に備え、スケジュールには余裕を持つこと

このように、国内での体験搭乗は「条件付きかつ抽選制」で実施されています。確実に体験するためには、

応募ルールの厳守
募集情報のこまめなチェック
人気イベントの倍率を考慮した応募戦略

が非常に重要です。特に倍率の高いイベントでは、情報収集の早さと正確さが当選の鍵を握ると言えるでしょう。

F15戦闘機の体験搭乗はできるのか？

結論から言えば、F-15戦闘機に一般の民間人が体験搭乗することは、事実上不可能です。これは制度的にも運用上も明確に制限されており、例外を除いて一般公募や有料サービスとして提供されることはありません。

F-15は日本の航空自衛隊が保有する主力戦闘機のひとつであり、防衛装備品として極めて重要な位置づけにあります。そのため、安全保障上の理由からも、民間人の搭乗は制限されているからです。

搭乗が許可されるのは、広報活動において特別な効果が見込まれる著名人やメディア関係者、あるいは国会議員など特別な事情を持つ人物に限られています。これらの搭乗は「航空機の使用および搭乗に関する訓令」に基づき、幕僚長が個別に承認したケースに限定されているのです。

一方で、F-15の操縦体験に近い体験を求める方には、フライトシミュレーターがあります。日本国内にもF-15を模したコクピットと視界システムを備えた民間施設が存在し、1時間あたり1万～2万円程度で本格的な模擬操縦体験が可能です。

このように、F-15戦闘機の「実機」搭乗体験は非常に限られており、現実的な選択肢ではありません。もしF-15に近い飛行感覚を味わいたい場合は、海外の民間戦闘機体験や国内のシミュレーターを利用するのが現実的な手段と言えるでしょう。

【体験搭乗】料金費用の相場とは

体験場所	機種	飛行内容	費用の目安	補足情報
ロシア	MiG-29	成層圏飛行	約250万円（16,500ユーロ）	装備レンタル・証明書付き
ロシア	MiG-29	アクロバット飛行	約200万円（13,500ユーロ）	成層圏なしのプラン
アメリカ	L-39 アルバトロス	戦闘機フライト	30万〜70万円	30分程度の飛行
ニュージーランド	L-39 アルバトロス	戦闘機フライト	30万〜70万円	初心者向け、日本語サポート有も
アメリカ（ラスベガス、フロリダ等）	スタント機	アクロバット飛行	約20万円（1,300ドル〜）	空中戦模擬やループ飛行体験

※表示価格は搭乗費用のみ。渡航費・宿泊費・保険料・ビザ代など別途必要。体験には健康診断書が求められることもあります。

日本国内では戦闘機の有料体験搭乗サービスは存在しません。「体験搭乗」の料金相場といった概念は海外の民間サービスが中心になります。特にロシアやヨーロッパ、アメリカなどでは、L-39やMiG-29といった本物の戦闘機での体験飛行が商業サービスとして提供されており、その費用感は明確に公表されています。

例えば、ロシアで提供されているMiG-29の成層圏飛行プランでは、費用は約16,500ユーロ（日本円で約250万円前後）にもなります。

これは、飛行時間45分程度に加え、事前の安全講習、装備レンタル、搭乗証明書発行などを含んだ価格です。一方で、アクロバット飛行のみのプランであれば、約13,500ユーロ（約200万円）程度に抑えられるケースもあります。

もう少し手軽な例としては、アメリカやニュージーランドのL-39アルバトロス体験フライトが挙げられます。これらは約30分間の飛行で30万円〜70万円程度が相場で、比較的安価に戦闘機の飛行を体験できる点が人気です。

加えて、アメリカではラスベガスやフロリダなどでスタント機を用いたアクロバット体験があり、1,300ドル（約20万円）程度から楽しめるプランもあります。

ただし、これらの費用には航空券や現地宿泊費、保険料、ビザ取得費などは含まれていません。そのため、実際の総費用は20〜30％程度高くなると見込んでおくべきです。

また、高速飛行やアクロバットが含まれるため、健康状態によっては事前に医師の診断書が求められることもあります。

このように、戦闘機の体験搭乗に必要な費用は非常に幅広く、体験する機種や飛行内容によっても大きく異なります。体験を検討する際は、公式サイトでの詳細確認と予算の見積もりを丁寧に行うことが大切です。

自衛隊記念日の体験飛行はいつですか？

自衛隊記念日の式典をオープンカーで観閲する首相 — 自衛隊記念日：政府広報オンラインより引用

自衛隊記念日の体験飛行は、例年11月1日を中心とした前後の期間に、各地の自衛隊基地や駐屯地で開催される広報イベントの一環として行われることがあります。ただし、すべての基地で実施されるわけではありません。具体的な日程や内容は年度ごとに異なります。

この体験飛行とは、戦闘機ではなく、主にC-2などの大型輸送機やCH-47Jのようなヘリコプターへの体験搭乗を指します。あくまで広報活動の一環であり、国防に対する理解を深めることが目的です。

搭乗対象となるのは、一般の方が抽選で選ばれる形式が多く、小学生以上から健康状態良好な75歳未満の日本国籍者が基本的な応募条件となっています。

このとき特に重要なのが、イベントの実施情報が各基地の広報部や防衛省の公式サイト、SNSなどで個別に告知される点です。

全国一律に「この日に体験飛行がある」と決まっているわけではありません。例えば、入間基地では例年11月初旬に航空祭が開催されることが多く、その中で体験搭乗が実施される場合があります。また、岐阜基地や松島基地なども、記念行事の一部として搭乗体験を企画することがあります。

これに加えて、参加には事前申し込みが必須であり、当選者のみが体験できる点に注意が必要です。応募期間はイベントの1～2ヶ月前が一般的で、応募はウェブまたはハガキで受け付けられる場合があります。

したがって、体験飛行に参加したい場合は、自衛隊記念日が近づく秋口からこまめに各基地の公式情報をチェックし、申し込み期間を逃さないように準備することが大切です。会場や時期によっては倍率が非常に高くなることもあるため、早めの情報収集と正確な応募が鍵となります。

どうすれば戦闘機体験搭乗に当選しやすくなるか

戦闘機の体験搭乗に当選したいと考える方は、まず「戦闘機への体験搭乗は基本的に実施されていない」という前提を理解しておくことが大切です。

自衛隊が実施している体験搭乗の対象は、C-2輸送機やCH-47Jなどの支援機が中心であり、F-15などの戦闘機は原則として対象外です。戦闘機については、展示や地上でのコクピット体験などに限定されます。

そのうえで、抽選での当選率を少しでも上げるためには、以下のような工夫や注意点が有効です。

応募時の基本対策：

応募ルールを正確に守る（1人1通のみ、名義の使い回しは禁止）
応募フォームの入力内容を慎重に確認して送信する
メールアドレスの入力ミスに注意する
「@mod.go.jp」など防衛省ドメインを迷惑メールから除外しておく

当選率を高める戦略：

休日や大型連休中のイベントは応募が集中し倍率が高くなりがち
地方の基地や平日開催のイベントは倍率が比較的低く狙い目
開催情報をいち早くチェックし、競争率の低そうな日程を選ぶ

その他に注意すべきポイント：

抽選には運も必要ですが、まずは「失格しない」ことが基本
応募ルールや受付期間を事前によく確認しておくことが重要
各基地やイベントの公式サイト・SNSを定期的にチェックする習慣を持つ
イベント内容や応募条件は年度によって変更されることがある

このように、戦闘機体験搭乗に向けた抽選に応募する際には、基本的なルールを守りつつ、倍率の低い枠を狙うなどの工夫を取り入れることが効果的です。丁寧な準備と正確な情報収集が、当選への一歩につながります。

【戦闘機の体験搭乗（一般向け）】海外の選択肢

星条旗を背景に敬礼するフル装備のちびっ子パイロット — ボクのヒコーキ・イメージ

【体験搭乗】アメリカなど海外でできる場所
【体験搭乗】日本と海外の違いとは
F15戦闘機の体験搭乗は海外で可能？
【海外での戦闘機体験搭乗】費用と注意点
自衛隊で一番きつい訓練は？
自衛隊で一番給料が高い仕事は何？
一般の人におすすめ戦闘機関連体験

【体験搭乗】アメリカなど海外でできる場所

海外では、日本では実現が難しい本格的な戦闘機やアクロバット機による体験搭乗サービスが、一般の方向けに提供されています。アメリカやヨーロッパの一部地域、ニュージーランドなどでは、観光アクティビティとして戦闘機の飛行を体験できるツアーが多数存在します。

主な提供エリアとサービス内容：

アメリカ（ラスベガス、カリフォルニア、フロリダ、サンディエゴ）
戦闘機やアクロバット機による飛行体験が豊富
例：「Sky Combat Ace」ではL-39によるアクロバット飛行やドッグファイト体験も可能
ヨーロッパ（イタリア、スイス）
訓練を受けた元軍パイロットが操縦を担当し、安全性が高い
L-39を用いたアクロバット飛行が中心
ニュージーランド
日本語対応のツアー会社があり、初めての海外体験でも安心
日本人観光客向けのサポート体制が整っている

体験に必要な条件・手続き：

利用前には 事前予約 が必要
健康状態の 自己申告 と 簡易的な安全講習 を受ける
多くのプランでは 18歳以上の健康な成人 が対象
心臓病や高血圧などがある場合は、 搭乗できないことがある ため事前確認が必要

利用時の注意点と選び方：

各プランの料金は 飛行時間や機体の種類、飛行内容により異なる
目的（アクロバット、模擬戦闘、観光飛行など）に応じて 最適なコースを選ぶことが重要

このように、海外では戦闘機の体験搭乗が観光や娯楽の一部として一般化しており、日本では味わえないダイナミックな飛行体験が可能です。安全面やサービス内容、費用を十分に確認しながら、自分に合ったプランを選ぶことをおすすめします。

【体験搭乗】日本と海外の違いとは

項目	日本	海外
提供主体	自衛隊（広報目的）	民間企業（営利目的）
体験できる機体	輸送機・ヘリコプターなど	戦闘機（L-39, MiG-29等）
体験形式	抽選による招待制	予約による有料サービス
費用	無料	数十万円〜数百万円
主な開催地	全国の自衛隊基地	アメリカ、ロシア、NZ、スイスなど
事前準備	応募・健康状態の確認	予約・健康申告・安全講習
安全性	自衛隊基準で厳格に管理	元軍パイロットなどが対応
飛行内容	短距離移動・地上展示中心	アクロバット飛行・模擬戦闘
搭乗年齢条件	小学生以上〜75歳未満など	多くは18歳以上の健康な成人
体験の自由度	限定的（内容・時間ともに）	選択可能な飛行プラン多数

※海外のプランは観光体験として提供されており、費用やサービス内容は会社・国ごとに異なります。

日本と海外における戦闘機体験搭乗の違いは、その「提供目的」と「実施形態」にあります。大きく分けると、日本では公的な広報目的のイベントで一部の人に無償で提供されるのに対し、海外では民間企業が営利目的で一般人向けに有料で実施しているという点が特徴です。

日本国内では、航空自衛隊や陸・海自衛隊が主催する航空祭や記念イベントにおいて、輸送機やヘリコプターなどへの体験搭乗が行われます。これは広報活動の一環であり、抽選制で選ばれた来場者が搭乗できる仕組みです。

搭乗費用は無料ですが、年齢や健康状態などの条件が細かく設定されており、搭乗の可否はその基準に従って厳格に判断されます。

一方、海外では民間の航空体験サービスが、商業ベースで戦闘機やアクロバット機によるフライトを提供している国も。主な国はアメリカ、ロシア、ニュージーランド、スイスなどで、L-39アルバトロスやMiG-29といった機体を使用した飛行が人気です。

こちらは完全に有料であり、費用は飛行時間に応じて数十万円から数百万円におよぶことも。また、飛行前にはブリーフィング、安全講習、時には健康診断が行われることもあります。

安全性の観点から見ると、どちらも厳格な基準を設けていますが、飛行の自由度や飛行内容に関しては、海外のほうがより「本格的な戦闘機らしい体験」ができる傾向があります。例えば、ロールやループ、垂直上昇といった動きが含まれるアクロバット飛行や、成層圏に近づく高高度飛行なども可能です。

このように、日本と海外の戦闘機体験搭乗には目的・内容・手続き・費用といった面で明確な違いがあります。それぞれにメリットと制約があるため、自分の目的に合った方法を選択することが重要です。

F15戦闘機の体験搭乗は海外で可能？

プライベートジェットの前で笑顔で人差し指を立てるセールスマン — ボクのヒコーキ・イメージ

F-15戦闘機に海外で体験搭乗することは、現時点で一般の人には極めて困難です。

F-15はアメリカのボーイング社が製造する本格的な多用途戦闘機であり、その運用はアメリカ空軍や日本の航空自衛隊など、限られた国の軍事組織に限定されています。つまり、F-15自体を使用した民間向け体験搭乗サービスは、世界的にも実施されていないのが実情です。

多くの人が「海外でF-15に乗れるかも」と期待する背景には、YouTubeやテレビで報道される著名人の搭乗シーンがあるかもしれません。しかし、それらは広報活動や軍関係者の招待、特別な訓練プログラムの一環として実施されており、一般向けの体験ではありません。

F-15は高度な機密性や運用リスクを伴うため、安全保障の観点からも一般人が有料で搭乗できるような商業サービスに使用されることは無いのです。

ただし、F-15と同等レベルのスピードや加速、旋回性能を体験できる機体として、MiG-29やL-39などを使用した民間サービスが海外では提供されています。

特にロシアのMiG-29は、超音速飛行や成層圏への上昇などが可能で、F-15と同じく高高度・高速域を体験できる貴重な機体です。料金は11,500〜16,500ユーロ（約200〜260万円）と高額ですが、一般人でも申し込みが可能です。

また、L-39アルバトロスのようなアクロバット用ジェット機は、F-15に比べるとスペックは下がりますが、戦闘機らしい挙動を体験できる機体として人気です。こちらはより安価で、30万円台から体験可能なプランも存在します。

このように、「F-15戦闘機そのもの」に乗ることは海外でも基本的に不可能ですが、似たような性能を持つ代替機での体験は各国で提供されています。F-15に近い飛行感覚を得たい方は、これらの海外サービスを検討してみるとよいでしょう。

【海外での戦闘機体験搭乗】費用と注意点

海外で戦闘機の体験搭乗を希望する場合、一般的に費用は高額であり、事前に注意すべき点も多くあります。特に、日本では体験できない本格的な戦闘機によるアクロバット飛行や高高度飛行が含まれる分、費用や準備の負担は小さくありません。

料金の目安：

ロシアのMiG-29成層圏飛行では、約16,500ユーロ（日本円で約250〜260万円）
同じMiG-29でも短めのプランであれば、11,500ユーロ程度（約180万円前後）
アメリカ・ニュージーランド・ヨーロッパでのL-39搭乗体験は、30万〜100万円ほど
上記価格には、安全講習・ブリーフィング・装備レンタルが含まれていることが多い

別途必要な費用：

日本からの渡航費（航空券、空港使用料）
宿泊費や食費
海外旅行保険（加入義務のある会社も多い）
ビザ取得費用（国によって異なる）
総額でプラス20万〜50万円程度かかる可能性あり

健康面の条件：

多くのサービスでは、18歳以上かつ健康状態が良好な成人が対象
高血圧・心疾患・持病がある場合は搭乗不可のケースもある
医師の診断書が必要になることもあるため、事前確認が重要

事前に確認すべき注意点：

サービス提供会社によって安全管理や内容に違いがある
英語対応のみの企業も多く、日本語サポートがない場合は注意が必要
天候や整備状況によって、搭乗予定が急遽中止・変更されることがある
柔軟な旅行日程を確保し、リスクに備えることが望ましい

このように、海外での戦闘機体験搭乗は非常に特別な機会ではありますが、費用面・健康面・言語面など多方面にわたる準備が求められます。安全かつ確実に楽しむためにも、信頼できる事業者を選び、十分な下調べとスケジュールの余裕を持って計画を立てることが大切です。

自衛隊で一番きつい訓練は？

自衛隊の中でも特に過酷だとされる訓練は、陸上自衛隊の「レンジャー課程」、なかでも第1空挺団が実施する「空挺レンジャー課程」です。この訓練は、単なる体力や技能だけでなく、極限の精神力と状況判断力を養うことを目的とした、日本の軍事訓練の中でも最難関のひとつとされています。

まず、レンジャー課程とは、特殊任務に対応できる精鋭隊員を育成するための選抜訓練です。各駐屯地ごとに実施されていますが、特に習志野駐屯地に所在する第1空挺団が行う「空挺レンジャー課程」は、その中でも最も厳しい内容と評価されています。

この課程では、訓練開始前に体力・適性検査が実施されますが、その時点で多くの志願者がふるい落とされます。実際の訓練が始まってからも、脱落者が続出するほど内容は苛烈であり、体力、精神力、そして忍耐力のすべてが試されるのです。

訓練内容には、重装備での山岳踏破（例：40kgの装備を背負って40kmを歩く）、夜間の潜入訓練、高所からの落下傘降下、爆破・戦闘訓練、サバイバル技術の習得、脱出行動なども。訓練は昼夜を問わず続けられ、睡眠時間も限られています。

また、食料や水の支給も最低限で、隊員は時に極限状態で行動を続けなければなりません。体力だけでなく、極度のストレス下でいかに冷静に行動し、仲間と連携できるかという判断力と統率力も求められます。

この課程を修了した者には「金色のレンジャーバッジ」が与えられます。自衛隊内部では非常に名誉のある証とされ、彼らは精鋭中の精鋭として尊敬を集めるのです。

このように、空挺レンジャー課程は、単に“厳しい訓練”を超えた、精神と肉体の極限に挑む場です。志願するには相応の覚悟と準備が必要であり、自衛官の中でもごく限られた者しか修了することができません。

参考資料：第1空挺団

自衛隊で一番給料が高い仕事は何？

項目	内容
最も給料が高い職種	将・将補などの幹部自衛官（陸・海・空）
主な役職例	航空自衛隊幕僚長、陸上自衛隊方面総監、海上自衛隊自衛艦隊司令官など
月給の目安	約60万円～198万円（階級・役職により異なる）
年収の目安	約1,500万円～2,000万円（賞与・手当込み）
特別職の給与例	防衛省の指定職（事務次官など）は年収2,000万円超の場合もあり
高収入の理由	国家安全保障に関わる重責、戦略的判断、部隊指揮などを担うため
必要な経歴	長年の勤務経験、昇任試験合格、防衛大学校や幹部候補生学校の修了
到達の難易度	進級停止や辞職の可能性もあり、誰でも到達できるわけではない
パイロットの年収例	階級により異なるが700万円～1,000万円程度（ブルーインパルス所属など）
給与に影響する要素	階級・役職・任務の重さが収入に直結