ロシア空軍が保有する戦闘機には、旧ソ連時代から続く豊富な系譜と、最新鋭の技術が反映された多彩な機種が存在します。
本記事では「ロシア 戦闘機 一覧」を中心テーマとして、現在配備されているロシアの主力戦闘機から、最新の第5世代機であるsu57、さらに歴史的な背景を持つミグ戦闘機やスホーイ 戦闘機 一覧まで、体系的に整理してご紹介します。
戦闘機 保有数や運用状況、現在開発中の戦闘機 最新モデルについても解説し、戦力の全体像が把握できる構成としています。また、第二次世界大戦 ソ連 戦闘機の活躍を振り返りつつ、現代の「最強」とされるロシア戦闘機がどれか、さらには世界で一番強い戦闘機は何かという視点からも比較します。
加えて、ロシアは爆撃機を何機保有しているかという疑問にも触れ、空軍全体の実力を読み解く手がかりとなる情報をお届けします。ロシア戦闘機の進化と現状を知りたい方にとって、必読の内容となっています。
- ロシア空軍の主力戦闘機とその配備状況
- su57やSu-35Sなど最新戦闘機の性能と役割
- ミグやスホーイなど各系統機の特徴と歴史
- 戦闘機保有数や爆撃機を含む全体的な航空戦力
ロシアの戦闘機一覧と主力機の特徴まとめ
- ロシア 戦闘機 一覧
- ロシアの主力戦闘機は?
- SU-57はロシアの第5世代戦闘機
- ミグ戦闘機の系譜と代表機種
- スホーイ戦闘機 一覧と開発の歴史
- ロシア戦闘機 最強はどの機体か
ロシア 戦闘機 一覧
ロシアが保有・運用している戦闘機は、旧ソ連時代からの設計思想を受け継ぎつつ、近年の技術革新を取り入れた多様な機種で構成されています。以下は、2025年時点での主な戦闘機一覧とその特徴です。
【第5世代戦闘機】

- Su-57(スホーイ57)
ロシア初の第5世代ステルス戦闘機。高度なレーダー回避性、超機動性、マルチバンドAESAレーダー、AI統合アビオニクスを搭載。配備数は少ないが、将来の主力機と位置づけられている。
【第4++世代戦闘機(最新主力)】

- Su-35S
Su-27の改良型で、高性能なイルビス-Eレーダーと推力偏向ノズルによる高い空戦能力を持つ。空対空・空対地両対応の万能戦闘機。100機以上が配備中。 - Su-30SM / Su-30SM2
複座・多用途戦闘機。長距離航続力を備え、制空・攻撃任務の両方をこなす。操縦支援能力を活かして複雑な任務にも対応可能。
【第4世代戦闘機・近代改修型】

- MiG-29 / MiG-29SMT
軽量多用途戦闘機。冷戦期に量産されたが、近年は一部が電子装備の近代化を受けている。 - MiG-31BM
超高速迎撃機。高高度・長距離の空中監視とミサイル迎撃に特化。改良型は電子戦能力も強化されている。 - Su-27SM
旧式のSu-27を改修したモデルで、一部は訓練や後方支援任務に転用されている。
【特殊用途戦闘機】

- Su-33
空母運用可能な艦上戦闘機。搭載可能な空母が限られるため運用数は少数。 - Su-34
正確には戦闘爆撃機。前線の航空支援や戦略攻撃に用いられる。
このように、ロシアの戦闘機群は第5世代から旧世代のアップグレード機まで多層構造となっており、任務や戦術に応じて最適な配備が行われています。
特にSu-35SやSu-30SMは実戦投入数が多く、ロシア空軍の実質的な戦力の中核です。また、今後はSu-57の配備拡大とSu-75の開発進展によって、さらなる戦力の近代化が進められると見込まれています。
ロシアの主力戦闘機は?

ロシア空軍が現在主力として配備している戦闘機は、Su-35SとSu-30SM/SM2の2機種が中心となっています。これらはいずれも「第4++世代」と呼ばれる機体で、高い機動性と先進的なアビオニクス(電子機器)を兼ね備えており、制空戦闘から対地攻撃まで幅広い任務に対応できるのが特徴です。
Su-35S・Su-30SM / SM2比較表
項目 | Su-35S | Su-30SM / SM2 |
---|---|---|
世代分類 | 第4++世代 | 第4++世代 |
主な特徴 | 推力偏向ノズル、イルビス-Eレーダー搭載、高機動型 | 複座・多用途型、空対空・空対地両対応、操縦支援機能 |
任務対応 | 制空戦闘、対地攻撃、空優任務 | 制空戦闘、精密爆撃、複合作戦 |
航続距離・耐久性 | 長距離航続、過酷環境での運用に対応 | 長距離航続、過酷環境での運用に対応 |
配備状況(2025年) | 100機以上配備 | 多数配備(SM2含む) |
運用評価 | 実戦の屋台骨として中心的役割を果たす | 柔軟な任務対応力により作戦の主力として機能 |
Su-35Sは、ソ連時代のSu-27をベースに大幅改良された高性能機で、特に「イルビス-E」レーダーによる広範囲な探知能力と、推力偏向ノズルによる超機動性が強みです。ロシア空軍ではこの機体を「実戦の屋台骨」として運用しており、2025年時点で100機以上が配備されています。
一方、Su-30SMおよびその改良型Su-30SM2は、複座で操縦支援にも対応できる多用途戦闘機で、空対空・空対地の双方に柔軟に対応可能です。これにより、精密爆撃や制空任務を同時に行うような複雑な作戦にも活用されています。
これらの戦闘機は、ロシアの広大な領土をカバーする長距離航続能力や、過酷な環境での運用も可能な設計となっており、まさに「現実的な主力戦闘機」としての要件を満たしています。
つまり、最新鋭のSu-57が配備数の面でまだ限定的な状況である現在において、Su-35SとSu-30SM/SM2の両機がロシア空軍の中核戦力として機能しているのです。
SU-57はロシアの第5世代戦闘機

Su-57(スホーイ57)は、ロシアが独自に開発した初の第5世代ステルス戦闘機であり、その設計は単なる次世代機にとどまらず、将来的な軍用航空技術の基盤として位置付けられています。
この機体は、ステルス性と超機動性を両立させることを重視して設計されており、「ブレンデッドウィングボディ」と可変翼面によって高い運動性能を実現しています。また、レーダー回避性を高めるための形状設計と吸収素材の採用により、レーダー反射断面積(RCS)を最小限に抑える工夫が施されています。
さらに、Su-57のアビオニクスには複数のAESAレーダー(N036「ベルカ」シリーズ)と、Lバンドの補助レーダーが組み合わされており、機体前方だけでなく側面・後方の探知も可能です。加えて、電子戦装備やIRST(赤外線捜索追尾装置)も統合されており、センサー融合による高い状況認識能力を備えています。
2025年時点では配備数は30機前後と限られているものの、今後の配備拡大が国家軍備計画に組み込まれており、最新型エンジン「イズデリエ30」の搭載によって、さらなる性能向上も見込まれています。加えて、AI支援による戦術判断支援機能や無人機S-70「オホートニク」との連携も視野に入れた開発が進行中です。
このように、Su-57はロシアの次世代航空戦力の中核として設計されており、西側のF-22やF-35に対抗する存在として大きな注目を集めています。
ミグ戦闘機の系譜と代表機種

「ミグ(MiG)」の名称は、旧ソ連および現代ロシアを代表する航空機設計局のひとつであり、正式には「ロシア航空機製作会社MiG(RSK MiG)」として知られています。その起源は1939年、設計者アルチョーム・ミコヤーンとミハイル・グレーヴィチによって創設されたことにあります。
歴代MiG戦闘機一覧
機体名 | 登場時期 | 主な特徴 |
---|---|---|
MiG-15 | 1950年代 | 初の実用ジェット戦闘機のひとつ、機動性と火力に優れる |
MiG-17 | 1950年代後半 | MiG-15の改良型、より高い速度と上昇力を実現 |
MiG-21 | 1959年 | 軽量・高速・安価、世界最多のジェット戦闘機生産数 |
MiG-25 | 1970年代 | マッハ3超の高速性能、長距離迎撃任務に対応 |
MiG-31 | 1980年代 | MiG-25の後継、極超音速迎撃能力を持つ |
MiG-29 | 1980年代 | 多用途軽量戦闘機、F-16への対抗機として設計 |
MiG-35 | 2010年代 | MiG-29の発展型、最新センサーと電子機器を搭載 |
MiGの名を世界に知らしめたのは、1950年代に登場したMiG-15とMiG-17であり、特に朝鮮戦争におけるMiG-15の活躍は西側諸国に衝撃を与えました。続くMiG-21は、世界で最も多く生産されたジェット戦闘機となり、シンプルな構造と整備性の良さから、今なお発展途上国などで現役機として運用されています。
また、MiG-25は最高速度マッハ3超という驚異的な性能を持ち、「函館亡命事件」によりその存在が広く知れ渡りました。この系譜を引き継いだのが、現代のMiG-31で、極超音速迎撃機としてロシアの長距離防空を担っています。
近年の代表的な機体にはMiG-29とその進化型MiG-35があり、特にMiG-29はF-16に対抗するための多用途軽量戦闘機として冷戦時代に多数生産され、現在もアップグレード版が輸出されています。
MiG-35はその発展型で、最新のセンサー・電子機器を搭載し、Su-35などと比べてコストパフォーマンスに優れた選択肢として注目されています。
ただし、現代ではスホーイ設計局の方が新型機の開発・受注ともに主導権を握っており、ミグ系戦闘機の生産規模は縮小傾向にあります。それでも、MiGシリーズは長い歴史を通じてロシア軍用機の発展を支えてきた不可欠な存在であり、航空史においてその名は今も重みを持っています。
スホーイ戦闘機 一覧と開発の歴史

スホーイ設計局(Sukhoi)は、旧ソ連時代から続くロシアを代表する航空機開発機関であり、長年にわたって多数の戦闘機・攻撃機を設計してきました。その開発の流れは、第二次世界大戦後の初期ジェット機から始まり、冷戦期の迎撃機、近年の第5世代ステルス戦闘機にまで及んでいます。
歴代スホーイ戦闘機一覧
機体名 | 登場時期 | 主な特徴 |
---|---|---|
Su-7 / Su-9 | 1950年代 | 初期の戦闘爆撃機・迎撃機、Suシリーズの基礎を築いた |
Su-15 | 1960年代 | 高高度・高速迎撃に対応、冷戦時の防空任務に活躍 |
Su-17 | 1970年代 | 可変翼採用で多様な作戦に対応 |
Su-24 | 1970年代後半 | 全天候型攻撃機として複雑な任務に対応 |
Su-25 | 1980年代 | 地上支援専用機、現在も改良型が運用中 |
Su-27 | 1980年代 | 制空戦闘機、Suシリーズ派生機の原型 |
Su-30 | 1990年代 | 多用途型、空対空・空対地の両任務に対応 |
Su-33 | 1990年代 | 艦載機型、空母での運用に対応 |
Su-34 | 2000年代 | 戦闘爆撃機型、長距離精密攻撃に対応 |
Su-35 | 2010年代 | 高機動な第4++世代戦闘機、現主力の一つ |
Su-57 | 2020年代 | ロシア初の第5世代ステルス戦闘機 |
Su-75 | 開発中 | 軽量・単発のステルス戦闘機、輸出向け |
初期の代表機としては、1950年代に開発されたSu-7やSu-9などが挙げられます。これらはソ連空軍の中で戦闘爆撃機や迎撃機として運用され、後のSuシリーズの基礎を築きました。特にSu-15は高速・高高度での迎撃能力を持ち、冷戦下での空の盾として活躍しました。
その後、可変翼設計が導入されたSu-17や全天候型攻撃機のSu-24などが登場し、複雑な作戦に対応する能力が大幅に向上しました。地上支援機としては、1980年代に実戦投入されたSu-25が有名で、現在も改良型が現役です。

現在の主力シリーズは、通称「フランカー」と呼ばれるSu-27系統の機体群です。Su-27は1980年代に制空戦闘機として開発され、高速性能と長距離航続力、優れた格闘性能を兼ね備えた設計が特徴です。
この設計をもとに、Su-30(多用途)、Su-33(艦上機)、Su-34(戦闘爆撃機)、Su-35(高機動・第4++世代)などが次々に派生し、現在のロシア空軍の主力となっています。
さらに、最新鋭機として開発されたのがSu-57です。これはロシア初の第5世代ステルス戦闘機で、アビオニクスやレーダー、推力偏向技術、無人機連携などを搭載し、従来機と一線を画す高性能が期待されています。
また、開発中のSu-75「チェックメイト」は、単発エンジンの軽量ステルス戦闘機として輸出市場をターゲットにしています。
このように、スホーイ戦闘機は冷戦から現代にかけてロシアの航空戦力を支えてきた中核的存在であり、その機種は用途や時代に応じて多様化しています。今後もSuシリーズは改良と進化を続けると見られており、スホーイは引き続きロシア軍用機開発の最前線に立ち続けるでしょう。
ロシア戦闘機 最強はどの機体か

ロシアが保有する戦闘機の中で「最強」とされるのは、Su-57とSu-35Sの2機種です。それぞれ異なる特徴を持ち、「将来の技術的最強」と「現実の実戦的最強」という2つの観点から評価されています。
Su-57・Su-35S比較表
項目 | Su-57 | Su-35S |
---|---|---|
分類 | 第5世代ステルス戦闘機 | 第4++世代多用途戦闘機 |
ステルス性能 | 高い(内部兵装・特殊素材) | 低い(ステルス設計なし) |
機動性 | スーパークルーズ、推力偏向 | 推力偏向ノズルによる超機動性 |
アビオニクス | AI支援、センサーフュージョン搭載 | 近代的だがAI未搭載 |
レーダー | マルチバンドAESA(X/Lバンド) | イルビス-E、最大探知距離約400km |
兵装搭載 | 最大約14~16トン(内部搭載可能) | 外部搭載、最大8目標同時攻撃 |
配備数(2025年) | 約20~30機 | 100機以上 |
実戦経験 | 限定的(配備初期段階) | ウクライナ戦争などで実戦投入 |
無人機連携 | S-70オホートニクと連携可能 | 連携機能なし |
Su-57は、ロシアが開発した第5世代ステルス戦闘機であり、レーダー探知を抑えた形状、高度なアビオニクス、マルチバンドAESAレーダー、レーザー防御、AI支援システムなどを搭載しています。これにより、制空戦から精密爆撃、電子戦まで多目的に対応できる性能を持ちます。
また、内部兵装コンパートメントによるステルス運用、スーパークルーズ能力、無人機S-70との連携もSu-57の特筆すべき点です。
ただし、2025年時点での配備数は20~30機程度にとどまり、量産体制や運用実績はまだ限定的です。そのため、技術的には最強に近くても、現場での即応力という面ではSu-35Sに軍配が上がります。
Su-35Sは、第4++世代に分類される高機動多用途戦闘機で、現在ロシア空軍に最も多く配備されている実戦機です。推力偏向ノズルによる超機動性、最大探知距離400kmを誇る「イルビス-E」レーダー、最大8目標同時攻撃能力など、電子戦能力と空戦性能のバランスに優れています。
この機体は、ウクライナ戦争などの実戦にも投入され、ロシア空軍の中で最も信頼性が高いとされています。Su-57に比べてステルス性は劣るものの、熟成された性能と運用実績によって「現実的に最強」とも言える存在です。
総合的に見て、未来の戦闘空間を見据えた「技術的頂点」はSu-57ですが、現在の戦力運用において最も頼りになるのはSu-35Sです。この2機種がロシア戦闘機の双璧として、用途や戦術に応じて使い分けられています。
ロシアの戦闘機一覧と保有数・最新動向
- 戦闘機の最新モデルと開発中の機体
- 戦闘機の保有数はどれくらいか
- 第二次世界大戦におけるソ連軍の主力戦闘機
- ロシアは爆撃機を何機保有していますか?
- 世界で一番強い戦闘機は?
- SU-57の性能と今後の展望
戦闘機の最新モデルと開発中の機体

2025年現在、ロシアが保有・開発している戦闘機の中で「最新モデル」と呼べるのはSu-57です。この機体はロシア初の第5世代ステルス戦闘機として設計され、AI搭載アビオニクス、新型エンジン「イズデリエ30」、マルチバンドレーダーなどを備えています。
ステルス性能と超機動性、兵装搭載力を高いレベルで融合しており、将来的には200機以上の配備が見込まれています。
ただし、実際の配備数はまだ30機未満とされており、現在の戦力構成における主力とは言えません。そのため、Su-57は“技術の象徴”としての存在感が強く、量産と実用性のバランスが今後の課題です。

一方で、ロシアはさらなるコスト効率を重視したステルス戦闘機として、Su-75「チェックメイト」の開発も進めています。この機体は単発エンジンを採用し、Su-57よりも安価かつ軽量な設計を目指しています。
2021年にモックアップが初公開され、2025年には試作機の製造が始まるとされています。輸出を強く意識しており、アルジェリアやアラブ諸国などが関心を示していると報じられています。
また、戦闘機ではありませんが、Su-57との連携を前提とした無人戦闘航空機S-70「オホートニク」も開発中です。これはステルス性能を備えた大型無人機で、戦術支援・偵察・火力投射などを担うとされ、Su-57と「有人・無人連携(MUM-T)」を実現するキーコンポーネントになる可能性があります。
このように、ロシアの航空戦力はSu-57を基軸とした“次世代ネットワーク戦”に向けて進化しつつあり、並行してSu-75などの実用型ステルス機の開発にも力を入れています。現在と将来をつなぐ最新機の登場は、ロシア軍用航空技術の大きな転換点となるでしょう。
戦闘機の保有数はどれくらいか

ロシア航空宇宙軍が2025年時点で保有している戦闘・攻撃機の総数は約1,200機以上と推定されています。これは旧ソ連時代から引き継いだ大規模な空軍構造と、現在も続く国内生産による補充体制に基づいたものです。
内訳を見ると、実際に作戦運用可能な戦闘機は約1,224機とされており、Su-30SM、Su-34、Su-35S、Su-57などが近代化された主力として位置づけられています。これらの「近代戦闘機」だけでも約400機以上が配備されており、戦闘能力の中核を成しています。
その一方で、残る約550機前後は旧式機や老朽化の進んだ機体です。たとえば、Su-25(攻撃機)、Su-27、MiG-29、MiG-31といった機種は、冷戦期に配備された機体であり、既に設計寿命の延長や再整備が必要な段階に入っています。
これらの一部は近代化改修(アップグレード)を受けて延命されていますが、全体としての信頼性や即応力には課題も残っています。
また、近年のウクライナ戦争において、ロシアは固定翼戦闘機136機、ヘリコプター152機の損失を報告されており、戦力の消耗も深刻化しています。一方で、新規生産数は年々減少傾向にあり、2022年に27機、2023年に24機、2024年上半期ではわずか6機にとどまっています。
このように、ロシア空軍は表面的には大規模な航空戦力を維持しているものの、その内実は老朽化、消耗、新造機不足という三重の課題を抱えているのが現状です。今後の戦力維持には、Su-57やSu-75といった新型機の量産体制確立が不可欠となるでしょう。
第二次世界大戦におけるソ連軍の主力戦闘機

第二次世界大戦中、ソ連は多数の国産戦闘機とアメリカ・イギリスからのレンドリース機を活用し、独ソ戦をはじめとする東部戦線で熾烈な空中戦を展開しました。その中でも主力となったのは、ヤコブレフ(Yak)とラヴォーチキン(La)両設計局の機体です。
ソ連軍(第二次世界大戦中)戦闘機一覧
機体名 | 設計局・出所 | 主な特徴 |
---|---|---|
Yak-1 / Yak-7 / Yak-9 | ヤコブレフ | 軽量・高機動・大量生産向き、Yak-9Tは37mm機関砲装備 |
LaGG-3 / La-5 / La-7 | ラヴォーチキン | 高出力エンジンと高性能、La-7は三拍子揃った高評価機 |
MiG-3 | ミグ | 高高度迎撃に特化、東部戦線では適性不足 |
P-39 エアラコブラ | アメリカ(レンドリース) | 重武装・中高度戦に強く、ソ連エースにも愛用された |
スピットファイア | イギリス(レンドリース) | 約1,200機が供与、防空任務に活用 |

特に重要なのが、ヤコブレフ設計局のYak-1、Yak-7、Yak-9といった「Yakシリーズ」です。中でもYak-9は軽量で高機動、製造コストも低く、大量生産に適していました。武装面でも優れており、Yak-9T型では37mm機関砲が搭載され、ドイツの爆撃機や装甲車両に対して高い効果を発揮しました。
Yak-9は戦時中に36,000機以上が生産され、ソ連戦闘機として最多記録となっています。
もう一つの主力設計局、ラヴォーチキンはLaGG-3、La-5、La-7といった機体を開発しました。La-5以降のモデルはエンジン出力が強化され、特にLa-7は速度・上昇力・機動性の三拍子が揃った機体として、戦争後期に優れた成績を収めました。
一方、開戦初期にはミグ設計局のMiG-3も一部で活躍しましたが、高高度迎撃に特化した設計だったため、低高度戦が中心の東部戦線には適しておらず、次第にYakやLaシリーズに主力の座を譲っていきました。
また、アメリカから供与されたP-39エアラコブラも重要な役割を果たしました。この機体は重武装で、ソ連のエースパイロットにも愛用され、5,000機以上が供与されました。さらに、イギリスのスピットファイアも約1,200機が供給され、防空部隊で使用されています。
総じて、ソ連は独自の戦闘機を大量生産しつつ、レンドリースによって不足を補い、多様な機種で制空権を確保しました。木製構造の採用や簡素な設計により、資源不足を補った点も当時のソ連らしい工夫といえます。Yak-9とLa-7が地上支援と空中戦で活躍し、P-39がその穴を補完したことが、ソ連空軍の勝利の基盤となったのです。
ロシアは爆撃機を何機保有していますか?

2025年時点で、ロシアが保有する戦略爆撃機の総数は約100〜120機と推定されています。これらは、ロシアの長距離戦略打撃力の中核をなす航空戦力であり、冷戦時代の遺産を維持・改修しつつ、現代戦にも対応できるようアップグレードが施されています。
ロシア爆撃機一覧
機体名 | 配備数(推定) | 主な特徴 |
---|---|---|
Tu-95(ベア) | 約60機 | プロペラ式長距離戦略爆撃機。核・通常兵器搭載。老朽化は進むが改修により現役 |
Tu-22M3(バックファイア) | 約40機 | 可変翼の超音速爆撃機。中距離の戦略・戦術攻撃、巡航ミサイル運用にも対応 |
Tu-160(ブラックジャック) | 約16機 | 最先端の超音速爆撃機。巡航ミサイル搭載と核戦力運用が可能。一部はTu-160Mに改修中 |
主な配備機種は3つに分類されます。まず、最も数が多いのがTu-95(ベア)で、約60機が運用中とされます。この機体はプロペラ式の長距離戦略爆撃機で、核・通常兵器の両方を搭載可能です。老朽化は進んでいますが、エンジンやアビオニクスの更新によって現役を続けています。
次に、超音速爆撃機であるTu-22M3(バックファイア)が約40機配備されています。この機体は可変翼を持ち、主に中距離の戦略・戦術攻撃任務に用いられており、対艦ミッションや巡航ミサイルの発射にも対応可能です。
そして、最も近代的で高性能な爆撃機がTu-160(ブラックジャック)です。こちらは推定16機前後が存在しており、一部は最新の「Tu-160M」型として改良が進められています。巡航ミサイル搭載能力と超音速飛行を兼ね備え、核戦力の一翼を担う機体です。
2025年6月にはウクライナによる無人機攻撃により、これらの爆撃機群のうち34%が何らかの損害を受けたと報道されており、稼働率の維持や防空能力の強化が急務とされています。ただし、正確な損傷機数や修復状況は公開されていません。
総じて、ロシアの爆撃機戦力は数こそ限定的ながら、依然として戦略核抑止と長距離打撃の両面で大きな役割を果たしているといえます。現在進行中の近代化計画と生産再開(Tu-160Mなど)が、この戦力の維持と強化を左右する鍵となるでしょう。
世界で一番強い戦闘機は?

2025年現在、「世界で一番強い戦闘機」として多くの専門家が挙げるのは、アメリカのF-22ラプターとF-35ライトニングIIの2機種です。それぞれが異なる方向性で頂点に立っており、「空中戦最強」と「総合力最強」という評価軸で語られています。
F-22ラプター・F-35ライトニングII比較表
項目 | F-22ラプター | F-35ライトニングII |
---|---|---|
主な用途 | 空対空戦闘に特化 | マルチロール(空対空・空対地・電子戦) |
ステルス性能 | 非常に高い | 高い |
スーパークルーズ | 対応(マッハ1+巡航) | 非対応 |
機動性 | 非常に高い(推力偏向ノズル) | 高いがF-22には劣る |
センサーフュージョン | 高い | 非常に高い(ネットワーク中心) |
配備数 | 約180機(生産終了) | 900機以上(増加中) |
実戦経験 | 限定的 | 豊富 |
総合評価 | 空中戦最強 | 総合力最強 |
まず、F-22ラプターは空対空戦闘を主眼に開発されたステルス戦闘機で、世界初の第5世代機でもあります。
ステルス性能に加えて、アフターバーナーを使わずにマッハ1以上で巡航可能なスーパークルーズ能力、推力偏向ノズルによる超機動性、優れたセンサー融合能力を備えており、「空中戦でF-22に勝てる戦闘機は存在しない」とまで言われています。ただし、生産は既に終了しており、配備数は約180機と限られています。
一方、F-35は空対空・空対地・電子戦を1機でこなす「マルチロール」型の第5世代戦闘機で、実戦経験も豊富です。ステルス性、情報共有能力、センサーフュージョン、そして多国間運用のしやすさを兼ね備えており、世界中で900機以上が配備済みです。今後の主力戦闘機として、その実用性と拡張性が高く評価されています。
比較対象として、ロシアのSu-57や中国のJ-20も第5世代機に該当しますが、配備数や実戦経験、国際評価という点でまだF-22やF-35には及ばないのが現実です。
したがって、空戦性能で選ぶならF-22ラプター、総合バランスと運用実績で選ぶならF-35ライトニングIIが「世界最強」の戦闘機と見なされるのが現在の軍事的コンセンサスとなっています。
SU-57の性能と今後の展望

Su-57は、ロシアが独自に開発した第5世代のステルス戦闘機であり、アメリカのF-22やF-35と競合する多用途機として設計されました。ステルス性と高い機動力、そして高度なセンサー統合を兼ね備えた点が大きな特徴です。
主な技術的特徴
- ステルス性能と超機動性を両立した空力設計
- 6基のレーダー(XバンドとLバンド)を機体全周に配置し、前方だけでなく側面・後方も探知可能
- 赤外線捜索追尾装置(IRST)とレーザー防御システムにより、ミサイル回避能力が強化されている
- 高度なアビオニクスにより、センサーフュージョンと電子戦機能が統合されている
武装・兵装システム
- 最大14〜16トンの兵器搭載能力を持ち、ステルス性を維持する内部兵装庫を備える
- 主力空対空ミサイルはK-77M(AFAR誘導)で、従来型R-77を大幅に上回る性能
- 精密誘導爆弾や空対地ミサイルにも対応し、多任務に柔軟に対応可能
推進システムと将来の改良
- 現在はAL-41F1エンジンを搭載した初期型が運用中
- 将来的に搭載予定のイズデリエ30は高推力・低燃費設計で、スーパークルーズ能力の向上が見込まれている
配備状況と生産計画
- 2025年時点では配備数30機未満と限定的
- 2028年までに76機の配備を計画し、最終的に200機体制を目指している
- 輸出型Su-57Eはすでにアルジェリアが発注を決定しており、今後は国際市場への拡大も視野に入れている
将来的な運用構想
- ステルス無人機S-70「オホートニク」との連携による有人・無人協調戦術(MUM-T)を導入予定
- AIによる自律飛行・敵目標の自動識別など、次世代型作戦プラットフォームとしての進化が進行中
現状と今後の展望
現段階では、Su-57はF-22やF-35に比べて実戦配備数や運用実績の面で劣るものの、技術的な伸びしろは非常に大きく評価されています。2030年代には、ロシア空軍の主力戦闘機として本格的な運用が見込まれています。今後の量産体制と運用ノウハウの蓄積が、Su-57の真価を左右する鍵となるでしょう。
ロシアの戦闘機 一覧でわかる戦力と開発動向の総まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 主力は第4++世代のSu-35SとSu-30SM/SM2
- Su-57は第5世代ステルス機で開発と配備が進行中
- Su-35Sは推力偏向ノズルと高性能レーダーが特徴
- Su-30SMは複座・多用途機で作戦柔軟性が高い
- MiG-29は軽量で近代化改修機が一部現役
- MiG-31BMは超音速迎撃機で高高度防空を担う
- Su-27SMは旧式機の改修型として一部運用継続
- Su-33は空母用戦闘機として限定的に配備
- Su-34は戦闘爆撃機として前線攻撃任務に対応
- Su-75は開発中の軽量ステルス戦闘機で輸出を視野
- 無人機S-70はSu-57との連携を前提とした開発機
- ロシアの戦闘機保有数は約1,200機超と推定される
- 保有機の多くは旧ソ連機の改修型や中・高年式機
- 戦闘機の新規生産数は年々減少傾向にある
- 第5世代機への転換は技術的進展と量産体制が鍵
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