ヘリコプターを自家用として所有したいと考えたとき、まず気になるのは価格や維持費ではないでしょうか。ヘリコプターの新車価格は機種によって異なり、数千万円から数十億円まで幅広く設定されています。また、最高級ヘリコプターの価格は特に高額で、高性能なエンジンや豪華な内装を備えたモデルでは数十億円に達することも。
一方で、中古市場では新車よりも安く購入できるものの、機体の状態やメンテナンス状況によって価格は大きく変動します。中古のヘリコプターを選ぶ際には、整備記録や飛行時間をしっかり確認することが重要なポイント。
ヘリコプターを個人所有する場合、購入費用に加えて維持費も考慮しなければなりません。燃料費、格納庫のレンタル費、定期整備費用、保険料などがかかり、年間で数百万円から数千万円のコストが発生するでしょう。また、自家用ヘリの着陸場所には厳しい規制があり、許可を得たヘリポートや空港を利用する必要があるのが現状です。
近年では、無人ヘリコプターの値段も注目されており、農業や測量、警備用途などさまざまな場面で活用が進行中。用途によって価格は異なり、産業用の高性能モデルでは数千万円に及ぶものも少なくありません。
この記事では、ヘリコプターの購入を検討している方に向けて、新車や中古の価格相場、維持費、着陸場所のルールなど、必要な情報を詳しく解説いたします。自家用ヘリを持つための費用や運用に関するポイントを理解し、最適な選択をするための参考にしてください。
※航空業界の慣例に習って「新車」という表現を使用しています。
- ヘリコプターの新車価格や最高級モデルの価格相場
- 中古ヘリコプターの価格帯と選び方のポイント
- 個人所有にかかる維持費や年間コストの内訳
- 着陸場所や運用ルール、免許取得の流れ
ヘリコプターの値段 自家用機はいくら?価格の相場と種類

- ヘリコプター新車価格と機種別の特徴
- 最高級ヘリコプターの価格とスペック
- ヘリコプターの価格は中古だとどれくらい?
- 自家用ヘリの購入時に必要な諸費用
- 個人所有のヘリコプター維持費と年間コスト
ヘリコプター新車価格と機種別の特徴
ヘリコプターの新車価格は、機種や用途によって大きく異なります。小型の自家用機であれば数千万円から購入できるものの、高性能なビジネス向けや大型の輸送機は数億円を超えることも珍しくありません。この価格差は、エンジンの種類、搭載される機能、座席数、飛行距離などの要素によって決まるのが実情です。
例えば、個人所有向けの小型機として人気のロビンソンR44は、約6,000万円程度で購入可能。一方で、タービンエンジンを搭載し、よりパワフルな飛行ができるロビンソンR66は、1億円を超える価格帯となっています。
中型クラスになると、エアバスH125(AS350B3)が約4億円、より高性能なベル407が約4.4億円と、個人で購入するにはハードルが高くなるでしょう。しかし、このクラスの機体は航続距離が長く、より多くの乗員や荷物を運べるため、法人での利用も増加傾向にあります。
大型機となると価格はさらに上昇し、エアバスH175やアグスタウェストランドAW139のような機体は10億円を超える水準。これらは企業や政府機関で利用されることが多く、VIP輸送や救急医療サービス、災害対応などの用途に適しているのが特徴です。
このように、ヘリコプターの新車価格は用途や性能によって大きな違いがあると言えるでしょう。購入を検討する際には、使用目的や維持費も含めた総合的なコストを考慮することが重要なポイントです。
最高級ヘリコプターの価格とスペック

ヘリコプターの中でも最高級クラスに分類される機体は、単なる移動手段を超えた高性能と快適性を備えているのが特徴です。その価格は数十億円にも及び、主に政府機関、大企業、富裕層向けに提供されています。
例えば、VIP輸送に特化したシコルスキーS-92は、最大19人が搭乗できる広々としたキャビンを持ち、新車価格は約2,700万ドル(約40億円超)です。この機体は、北海油田の作業員輸送など、長距離を安全に移動する用途にも使用されており、快適な座席や静音設計が施されています。
もう一つの代表的な機種であるエアバスEC225は、政府要人の移動や軍用輸送に使用されることが多く、新車価格は約2500万ドル(約37億5000万円)です。この機体は強力なエンジンを搭載し、高高度や悪天候の中でも安定した飛行が可能です。また、長時間の飛行に適した設計がされているため、広範囲のミッションに対応できます。
さらに、アグスタウェストランドAW139は、現在世界中で人気の高い高級ヘリコプターの一つです。この機体は、高級ビジネスジェットのようなインテリアを備えており、新車価格は約550万ドルから965万ドル(約8億2500万円から約14億5000万円)です。静粛性と快適性を兼ね備え、主に企業の役員輸送や救急医療サービスで利用されています。
最高級ヘリコプターは、単に価格が高いだけでなく、長距離飛行、悪天候対応、高い安全性能、豪華な内装など、多くの特長を持つ機体です。これらの機体は、移動の利便性を向上させるだけでなく、特別な空の旅を提供する存在となっています。
※2025年3月現在のドル⇔円レートで計算しています。
※航空業界の慣例に習って「新車」という表現を使用しています。
ヘリコプターの価格は中古だとどれくらい?

ヘリコプターの中古価格は、機種や年式、飛行時間、整備状況によって大きく異なります。新車と比較するとコストを抑えられるものの、状態によってはメンテナンス費用がかさむ可能性も否めません。
例えば、小型機のロビンソンR44は、新車価格が約6,000万円ですが、中古市場では約1,500万円~3,000万円で取引されることが一般的です。この機種は自家用機として人気があり、流通量も比較的多いため、条件の良い機体が見つかりやすい特徴が見られます。
一方、中型機ではエアバスEC225(ユーロコプターEC225)のような機体が挙げられます。この機種は新車価格は約2500万ドル(約37億5000万円)ですが、中古市場では2000万ドル(約30億円)程度で販売されることがあるのが現状。状態によっては新車に近い価格で取引されることもあり、用途に応じた慎重な選択が求められるでしょう。
また、大型機のシコルスキーS-92やアグスタAW139のようなモデルになると、中古価格でも14億円を超えるケースが少なくありません。特にS-92は、VIP輸送やオフショア(海上油田など)での使用を目的としており、整備の状態や改修歴によって大きく価格が変動する傾向にあります。
中古ヘリコプターを購入する際は、単に価格の安さで選ぶのではなく、整備履歴や飛行時間、事故歴などを詳細に確認することが重要です。特に、海外市場では価格が割安に見えることがありますが、書類の不備や部品の欠損などの問題が発生することも想定すべき点。信頼できる販売業者を通じて、安全な機体を選ぶことが何よりも大切なのです。
自家用ヘリの購入時に必要な諸費用

ヘリコプターを購入する際には、本体価格以外にも多くの費用が発生します。事前にこれらの費用を把握しておくことで、購入後のトラブルや予想外の出費を防ぎ、スムーズな運用が可能になります。
1. 機体本体の価格
ヘリのサイズや仕様によって価格は大きく異なります。
- 小型機(例:ロビンソンR44):約6,000万円
- 中型機(例:エアバスH125):約4億円
- 大型機(例:シコルスキーS-92):約40億円
※新品・中古、カスタマイズの有無によって価格は変動します。用途に応じた機体選定が重要です。
2. 輸送費および登録費用
- 海外からの輸入時は、数百万円以上の輸送費が必要となる場合があります。
- 日本国内で運航するためには、国土交通省での航空機登録が必要です。登録には手数料や書類費用が発生します。
3. 格納庫・駐機スペースの確保
- 地方空港や専用格納庫を利用する場合:月額10万~40万円
- 自宅にヘリポートを設置する場合:工事費として数百万円~数千万円かかることもあります。
※運用前に適切な駐機スペースの確保が不可欠です。
4. 保険料
以下のような保険加入が一般的です
- 機体保険
- 搭乗者傷害保険
- 賠償責任保険
年間の保険料は、おおよそ120万~600万円。高額な機体ほど保険料も高くなるため、長期的な維持コストを見積もる必要があります。
5. 操縦ライセンス取得費用
自分で操縦する場合は、以下の費用が発生します
- 自家用操縦士免許(PPL):約500万~1,000万円の訓練費用
- タービンエンジン機の操縦には、追加のライセンスが必要で、さらに費用がかかります。
このように、自家用ヘリの購入には多岐にわたる費用が必要となります。購入前には総額と維持コストをしっかりと見積もることが重要です。
個人所有のヘリコプター維持費と年間コスト

ヘリコプターを個人所有する場合、購入費用だけでなく、年間の維持費も考慮しなければなりません。維持費には、保管費用、燃料費、整備費、保険料などが含まれ、これらのコストは機体の種類や運用状況によって大きく変動します。
格納庫や駐機場の費用
ヘリコプターは駐機場所を確保しなければなりません。空港やヘリポートの格納庫を借りる場合、地方空港なら月8万~12万円、都市部のヘリポートでは月12万~15万円程度の費用がかかります。特に、東京ヘリポートなどの主要空港では、料金は25万円から35万円に達する場合もあります。自宅にヘリポートを設置する場合、用地や設備の整備費として数百万円から数千万円が必要になることもあります。
燃料費
燃料費は、ヘリコプターの運用コストの中でも重要な部分を占めます。ヘリコプターの種類によって消費量が異なり、ピストンエンジン機は1時間あたり40~60リットル、タービンエンジン機では100リットル以上の燃料を消費することが一般的。燃料単価が1リットル280円程度とすると、1時間の飛行で約1万~3万円の燃料費がかかる計算です。年間50時間飛行する場合、50万~150万円程度の燃料費が発生します。
定期点検と整備費用
ヘリコプターは安全に運航するために、定期的な整備が必要です。点検には50時間点検、100時間点検、耐空検査(航空機の車検に相当)などがあり、これらの整備費用が発生します。
- 50時間点検:10万円~20万円
- 100時間点検:20万円~50万円
- 耐空検査(年1回):80万円~300万円
また、部品の交換や予防保全も重要で、エンジンのオーバーホールなどの大規模な整備には数百万円以上かかることがあります。そのため、年間の整備費用として200万~400万円程度を見積もっておくと良いでしょう。
保険料
万が一の事故に備えて、ヘリコプターの保険に加入することが推奨されます。主な保険は以下のようなものです。
- 機体保険(墜落や火災など):年間数十万~数百万円
- 第三者賠償責任保険(対人・対物事故補償):年間50万~100万円
- 搭乗者傷害保険:年間数万円~数十万円
特に、大型機や高額な機体では、保険料がさらに高くなることがあるため、購入前に見積もりを確認しておくことが重要です。
ヘリポートや航空機登録の費用
日本国内でヘリコプターを運用するには、航空局に登録し、適切な運航許可を得なければなりません。また、ヘリポートの使用料も発生することがあります。
- 航空機登録費用:数万円~数十万円
- ヘリポート利用料:都度1回の着陸ごとに1,000円~30,000円前後(着陸料)
さらに、私有地にヘリポートを設置する場合、航空局の許可を取得し、施設の基準を満たす必要があるため、追加のコストがかかります。
パイロットライセンスの更新費用
ヘリコプターを自分で操縦する場合、パイロットライセンスの更新や定期的な訓練が必要です。更新には実技訓練の費用や試験費用がかかり、年間数万~数十万円程度のコストが発生することがあります。
年間の維持費の総額
上記の費用を合計すると、個人所有のヘリコプターの年間維持費は、最低でも500万円~1,000万円以上かかることが一般的です。特に、大型のタービン機を所有する場合は、年間数千万円の維持費が発生することもあります。
このため、ヘリコプターを購入する際は、機体価格だけでなく、維持管理にかかる費用も考慮し、長期的な計画を立てることが重要です。
ヘリコプターの値段 自家用機の維持と運用のポイント

- 自家用ヘリの着陸場所と利用のルール
- 無人ヘリコプターの値段はいくら?コストと用途
- ヘリコプターの保険や税金の負担について
- 格納庫やヘリポートの設置費用はどのくらい?
- ヘリコプター購入に向けた免許取得の流れ
自家用ヘリの着陸場所と利用のルール
自家用ヘリコプターを運用する場合、着陸場所には厳格なルールが定められています。日本の航空法では、ヘリコプターは許可されたヘリポートや空港以外の場所での離着陸は原則として禁止です。違反すると罰則の対象となる可能性があります。
着陸できる場所
ヘリコプターが離着陸できる主な場所として、以下のような選択肢があります。
- 公共のヘリポート(東京ヘリポート、神戸ヘリポートなど):事前の申請と使用許可が必要
- 空港のヘリパッド:航空局や空港管理会社の許可を得ることで利用可能
- 自社所有のヘリポート:企業が保有するヘリポートで、関係者のみ利用可能
- 臨時ヘリポート(場外離着陸場):一時的な許可を取得し、農地や山間部などに設定可能
私有地へのヘリポート設置
自宅や所有地にヘリポートを設置することも可能ですが、航空局の許可を得る必要があります。設置基準は以下のようなものです。
- 最低でも15m四方の広さが必要(機体のサイズに応じて変動)
- 周囲に障害物がないこと(建物や電線など)
- 騒音や安全面の対策を講じること
また、ヘリポートの許可申請には約4~6週間の審査期間が必要で、申請費用も発生します。
利用時のルール
ヘリコプターの運用には、飛行計画の提出や無線交信が求められる場合があります。特に、都市部の人口集中地区や空港周辺では、事前に国土交通省の飛行許可を取得しなければなりません。また、夜間飛行は特別な照明設備を備えている場合を除き、基本的に禁止されています。
さらに、ヘリコプターの騒音問題は地域住民に影響を与えるため、飛行ルートや着陸時間帯に配慮することが重要です。無許可での飛行や違法な着陸を行うと、行政指導や罰則を受ける可能性があります。
このように、自家用ヘリコプターの運用には厳しい規制があるため、事前に適切な手続きと計画を立てることが不可欠です。
無人ヘリコプターの値段はいくら?コストと用途

無人ヘリコプターは、農業、測量、警備、物流などさまざまな分野で活用されており、その価格は機種や性能によって大きく異なります。
無人ヘリコプターの価格帯
無人ヘリコプターの価格は、主に産業用と趣味用の2つのカテゴリに分けられます。
- 産業用無人ヘリ:1,000万円~3,000万円(農薬散布・測量・監視用途)
- 小型商用ドローン:100万円~500万円(点検・映像撮影・物流)
- ホビー向けドローン:10万円~100万円(個人利用・練習用)
例えば、農薬散布用ドローンのヤンマーT10は約110万円、T50は約180万円程度です。一方で、より高性能な測量・監視向けの無人ヘリは、1,000万円を超えることもあります。
運用コスト
無人ヘリコプターは本体価格だけでなく、維持費や運用コストも考慮する必要があります。
- 燃料費またはバッテリー代:1回の飛行で1,000円~5,000円
- メンテナンス費用:年間10万~50万円(使用頻度による)
- 保険料:年間5万円~20万円(損害補償・第三者賠償など)
- ライセンス取得・講習費:数万円~数十万円(資格が必要な場合)
特に、産業用無人ヘリは法律や規制があるため、操縦者の資格取得や運用ルールの遵守が求められます。
用途と活用シーン
無人ヘリコプターは、以下のような用途で活躍しています。
- 農業:農薬散布、種まき、収穫監視
- 測量・点検:地形調査、橋梁・送電線の点検
- 警備・監視:災害時の状況確認、不審者監視
- 物流:遠隔地への物資輸送、緊急医薬品配送
特に、農業分野では農薬散布の効率化が大きなメリットとされており、従来の有人ヘリと比較してコスト削減と安全性の向上が期待されています。
このように、無人ヘリコプターは多くの分野で活用されており、価格やコストを考慮しながら適切な機種を選ぶことが重要です。
ヘリコプターの保険や税金の負担について

ヘリコプターを所有・運用するには、本体価格や維持費だけでなく、保険料や税金の負担も考慮しなければなりません。航空機は自動車と異なり、特殊な保険や税制が適用されるため、事前に詳細を把握しておくことが重要です。
ヘリコプターの保険
ヘリコプターの保険にはいくつかの種類があり、それぞれ補償内容が異なります。利用されるのは、主に以下の4つの保険です。
- 機体保険(年間100万~200万円)
- 墜落、火災、衝突、盗難などで機体が損傷した場合に適用
- 機体の価値に応じて保険料が変動
- 第三者賠償責任保険(年間50万~100万円)
- 飛行中や着陸時に第三者の建物や車両に損害を与えた場合の補償
- 一般的に1億円以上の補償額が設定される
- 搭乗者傷害保険(年間数十万円)
- ヘリコプター搭乗中に事故が発生し、乗客や操縦士が負傷した場合の補償
- 捜索救助費用保険(年間数万円~)
- 事故でヘリコプターが行方不明になった場合、捜索・救助費用をカバー
保険料は、機種の価格、用途、年間の飛行時間などにより異なります。特に高価な機体ほど保険料も高額になるため、所有前に見積もりを取ることをおすすめします。
ヘリコプターにかかる税金
ヘリコプターは航空機として扱われるため、自動車とは異なる税制が適用されます。
- 取得税は不要
- ヘリコプターは「自動車取得税」のような購入時の税負担がない
- 固定資産税が適用(年額十数万円~)
- 所有する機体が固定資産として課税され、機体の評価額に応じて決定
- 消費税(10%)
- 購入時に本体価格の10%が課税される(中古機でも適用)
- 燃料にかかる税金
- 航空燃料には軽減措置があるが、ヘリコプター用燃料には一定の課税がある
税負担は機体の種類や登録状況により変わるため、税理士や専門家に相談することが重要です。ヘリコプターの運用コストを考える際は、保険と税金の負担も含め、年間の総費用をしっかりと見積もる必要があります。
格納庫やヘリポートの設置費用はどのくらい?

ヘリコプターを安全に保管し、運用するためには格納庫やヘリポートの設置費用を考慮する必要があります。これらの費用は、設置場所、規模、設備によって大きく異なるからです。
格納庫の設置・レンタル費用
ヘリコプターを保管するには、専用の格納庫が必要です。格納庫には自社所有とレンタルの2つの選択肢があります。
- 格納庫を建設する場合
- 小型機用(ロビンソンR44クラス):約500万~2,000万円
- 中型機用(エアバスH125クラス):約2,000万~5,000万円
- 大型機用(AW139クラス):5,000万円以上
格納庫の価格は、広さ、電動シャッター、耐火設備、スプリンクラー、照明、冷暖房などの仕様によって異なります。特に、都市部では土地代が高額になるため、地方の空港を利用するケースが多いです。
- 格納庫をレンタルする場合
- 地方空港(小型機):月額8万~15万円
- 都市部ヘリポート(中型機):月額25万~35万円
都市部ではヘリポートの空きが少なく、長期契約が必要になることが一般的です。また、定期点検を受けるために、整備工場のある格納庫を選ぶことも重要なポイントです。
ヘリポートの設置費用
ヘリコプターを自由に運用するためには、自宅や会社の敷地にヘリポートを設置するという選択肢もあります。ただし、設置には航空局の許可が必要です。
- 最低設置費用(簡易ヘリポート)
- 1,000万~3,000万円(最低限の舗装と照明設備)
- 高規格のヘリポート
- 5,000万~1億円以上(夜間照明、耐火設備、管制システムを備えた施設)
ヘリポートを設置する際は、土地の広さと周辺環境(騒音対策など)を考慮する必要があるため、専門の施工業者に相談することが推奨されます。
ヘリポートを借りる場合のコスト
個人所有のヘリポートを持たない場合、既存のヘリポートを利用する方法もあります。
- 公共ヘリポート使用料:1回の着陸で800円~数千円
- 法人専用ヘリポート利用料:年間契約で数十万~数百万円
また、ヘリポートの夜間運用を行う場合、特別な照明設備を設置する必要があり、追加のコストが発生することもあります。
まとめ
格納庫やヘリポートの設置・維持には高額な費用がかかります。レンタルの場合は年間100万~400万円、新設する場合は最低でも1,000万円以上が必要です。ヘリコプターを所有する際は、運用スタイルに合った格納・駐機方法を選ぶことが重要になります。
ヘリコプター購入に向けた免許取得の流れ

ヘリコプターを購入し、自ら操縦するためには、自家用操縦士免許(PPL)の取得が必要です。日本では国土交通省がライセンスを管理しており、取得には学科試験、実技試験、飛行訓練をクリアしなければなりません。
必要なライセンスの種類
ヘリコプターのライセンスは、用途や機種によって異なる3種類に分類されます。
- 自家用操縦士免許(PPL:Private Pilot License)
- 趣味や個人利用目的で操縦するための免許
- 収益を伴う運航は不可
- 事業用操縦士免許(CPL:Commercial Pilot License)
- 仕事としてヘリコプターを操縦するための免許
- 航空会社や法人のパイロットが取得する免許
- 定期運送用操縦士免許(ATPL:Airline Transport Pilot License)
- 大型ヘリコプターを運航するために必要な最高レベルの免許
- 主に救急ヘリやVIP輸送、軍事用途で使用される
個人所有でヘリを運用する場合、「自家用操縦士免許(PPL)」を取得すれば飛行が可能です。ただし、より大型の機体や特殊な機能を備えた機体を操縦する場合、追加の資格が必要になることもあります。
免許取得のステップ
ヘリコプターの自家用操縦士免許を取得するまでの流れを紹介します。
- 航空身体検査を受ける
- ヘリコプターの操縦は健康な身体が求められるため、航空身体検査に合格する必要がある
- 視力、聴力、心肺機能、精神面の健康状態などが審査対象
- 身体検査に合格すると「航空身体検査証明書」が発行される
- 飛行学校(フライトスクール)に入学
- 日本国内の飛行学校(民間航空会社や訓練機関)に入校し、学科および実技訓練を受ける
- 学科講習では、航空法、気象学、航空力学、ナビゲーション、無線通信などを学ぶ
- 実技訓練は、実際のヘリコプターを使い、離陸・着陸、飛行操作、緊急時対応などを訓練する
- 飛行時間を確保する
- 自家用操縦士免許(PPL)を取得するには、最低40時間以上の飛行訓練が必要
- そのうち、ソロフライト(単独飛行)も条件に含まれる
- 訓練時間が増えるほど、より安全でスムーズな操縦が可能になる
- 学科試験を受験する
- 国土交通省が実施する学科試験を受験し、合格する必要がある
- 問題の範囲は航空法、気象学、航空機の構造、安全運行の知識など
- 合格率は高めだが、専門用語が多いため事前の対策が重要
- 実地試験(技能試験)に合格する
- 航空局の試験官が同乗し、実際にヘリコプターを操縦して試験を行う
- 離陸・着陸の技術、飛行経路の確認、緊急時の対応などが評価対象
- 合格すると、正式に自家用操縦士免許(PPL)が交付される
免許取得にかかる費用と期間
ヘリコプターの免許取得にはまとまった費用と時間が必要です。
- 費用:総額500万円~1,000万円(学科講習、飛行訓練、試験費用など)
- 期間:最短で6か月~1年(週に数回の訓練ペースの場合)
訓練を短期間で集中的に受ければ、数か月で取得可能ですが、仕事と両立しながら取得する場合は1年以上かかることもあるため、スケジュール管理が重要になります。
免許取得後の維持と更新
免許を取得して終わりではなく、その後も定期的な訓練や免許の更新が必要になります。
- ライセンスの有効期限は特になし(定期運送用操縦士免許の有効期限は6ヶ月)
- 定期的なフライト時間の確保が必要(自家用操縦士免許の場合:2年間で少なくとも24時間)
- 航空身体検査を受ける(航空身体検査証明書の有効期限は1年)
また、より高度な技術を学びたい場合は、計器飛行証明(IFR)や事業用操縦士免許(CPL)へのステップアップも可能です。
参考資料:「パイロットになるには」国土交通省
まとめ
ヘリコプターを購入して自分で操縦するには、自家用操縦士免許(PPL)が必要です。取得には、航空身体検査、学科試験、実技試験をクリアする必要があり、費用は500万円~1,000万円程度かかるのが一般的です。免許取得後も定期的な訓練と更新手続きが必要なため、長期的な計画を立てることが大切です。
ヘリコプター 値段 自家用の相場と維持費のポイント
自家用ヘリコプターの値段についてまとめます。
- ヘリコプターの新車価格は小型機で約6,000万円から、大型機で数十億円に及ぶ
- 機種によって価格差が大きく、エンジンや搭載設備、航続距離が影響する
- 最高級ヘリコプターはVIP仕様で30億円を超えるモデルも存在する
- 中古市場では小型機が1,500万円~3,000万円、中型機が1億円以上で取引される
- ヘリコプター購入時には輸送費や登録費用が別途かかる
- 保管には格納庫やヘリポートが必要で、レンタルでも月額数十万円かかる
- 燃料費は機種により異なり、1時間の飛行で数万円以上が必要
- 定期点検や整備費は年間200万~400万円が目安
- 保険料は機体価格や用途によるが、年間200万~400万円かかることが多い
- 自家用ヘリの着陸は航空法により制限され、許可のある場所のみ利用可能
- 商・産業用無人ヘリコプターは用途によって100万円~3,000万円の価格帯がある
- 購入時の税金として消費税(10%)がかかるが、取得税は不要
- ヘリコプターの維持には年間500万円~1,000万円以上のコストが必要
- 自分で操縦する場合、自家用操縦士免許を取得する必要がある
- 免許取得には学科試験、飛行訓練、実地試験があり、総費用は500万~1,000万円程度
最後までお読みいただきありがとうございました。
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