軽飛行機として世界的に人気のあるセスナ172は、個人所有や飛行訓練に広く利用されています。
そのため、セスナ172 価格を知りたいと考えている人は多いでしょう。
価格は、新品と中古で大きく異なり、また機体の年式や仕様、搭載機器によっても変動します。
特に最新モデルの セスナ172s は、高性能なアビオニクスや燃費効率の向上により、価格は高めの設定です。
購入を検討する際には、機体の性能や装備も重要なポイントです。
例えば、セスナ172のエンジン には信頼性の高いライカミング製が採用され、安定した飛行性能を実現しています。
また、一部のモデルにはオートパイロット 機能が搭載されており、長距離飛行時の操縦負担を軽減。
コックピットの設計も、パイロットの快適性や操縦のしやすさに影響を与えます。
コックピット は視認性が良く、最新のデジタル計器を備えたモデルも多くあります。
一方で、より小型の セスナ152 との比較を考えると、用途やコスト面での違いを理解することが大切です。
本記事では、セスナ172の価格や性能、維持費、免許取得のコストなどを詳しく解説していきます。
購入や運用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
参考資料:「航空」国土交通省
- セスナ172の新品・中古の価格相場とその違い
- セスナ172のエンジンやオートパイロットなどの性能情報
- 購入後にかかる年間維持費とコストの内訳
- 免許取得費用やパイロットの年収などの関連情報
セスナ172の価格の相場と特徴

- セスナ172の新品価格と市場相場
- セスナ172の中古価格と選び方
- セスナ172sの価格と性能の違い
- セスナ スカイホークとの違いと価格
- セスナ172の年間維持費とコスト
セスナ172の新品価格と市場相場
セスナ172の新品価格は、機体の仕様やオプションによって大きく変動します。
一般的に、新品のセスナ172は約40万ドルから50万ドル(約5,500万円〜6,800万円)の範囲で販売されています。
特に最新モデルであるセスナ172Sは、高性能なアビオニクスや燃費効率の良いエンジンを搭載しているため、価格が高めです。
市場相場は、航空機メーカーやディーラーの価格設定に加えて、為替相場や経済状況の影響も受けます。
例えば、セスナ社が販売する最新機種の価格は、部品の調達コストや需要の変動によって変わることがあります。
また、オプション装備の追加によっても価格が上昇するため、購入前に必要な装備を精査することが重要です。
セスナ172の中古価格と選び方

中古のセスナ172は、新品よりもコストを抑えて購入できる点が魅力です。
中古機の価格帯は、状態や年式、飛行時間によって異なり、一般的には3万ドル(約400万円)から40万ドル(約5,500万円)程度まで幅広くなっています。
特に低価格帯の機体は、年式が古く飛行時間が長いものが多いため、慎重に選ぶ必要があります。
選び方のポイントとして、まず整備記録や機体の履歴を確認することが重要です。
定期メンテナンスが適切に行われているか、事故歴がないかを詳細にチェックしましょう。
次に、エンジンやプロペラの状態も確認し、必要に応じて専門家に点検を依頼することをおすすめします。
また、購入後の維持費も考慮しなければなりません。
整備費用や駐機料金、燃料費などを含めると、年間の維持費は約300万円から400万円程度になることが一般的です。
そのため、購入前に予算をしっかりと計画し、無理のない範囲で選ぶことが重要となります。
セスナ172sの価格と性能の違い
セスナ172Sは、セスナ172シリーズの中でも最新モデルであり、高性能なアビオニクスやエンジンを搭載しています。
価格は一般的に約45万ドル(約6,100万円)前後であり、標準装備に最新のガーミンG1000 NXiアビオニクスを備えています。
セスナ172S JT-Aモデルの場合、通常のガソリンエンジンの発展形として、ターボ・ディーゼルエンジンの「コンチネンタルCD-155」が搭載されており、出力は155馬力です。
このディーゼルエンジンは、ジェット燃料(JET A-1)を使用するため、航空ガソリン(AVGAS)よりも入手が容易であるという利点があります。
また、燃焼効率が高く、環境に優しい特徴も持っています。
一方で、最新モデルゆえに価格が高く、初期コストが大きい点には注意が必要です。
また、従来モデルとの互換性を考慮すると、アビオニクスのアップグレードに追加コストがかかる場合があります。
購入を検討する際は、用途や予算を十分に検討することが重要です。
セスナ スカイホークとの違いと価格

セスナ172とセスナ スカイホークは基本的に同じ機体を指しますが、スカイホークはより上級仕様のモデルとして知られています。
特に「スカイホークSP」は、標準モデルよりも強化されたエンジンや豪華な内装を備えており、価格も若干高めです。
通常のセスナ172の新品が40万ドル前後(約6,100万円)であるのに対し、スカイホークSPの価格は約50万ドル(約7,600万円)とされることが一般的です。
この価格差は、主にアビオニクスの充実度や追加装備の有無によるものです。
性能面では、スカイホークSPは180馬力のエンジンを搭載し、最大巡航速度が高めに設定されています。
また、内装の快適性が向上しているため、訓練機よりも個人所有やビジネス用途に適しているといえます。
ただし、基本的な飛行性能に大きな差はないため、予算や用途に応じてどちらのモデルを選ぶか検討することが重要です。
特に、訓練や趣味の飛行に使用する場合は、標準のセスナ172でも十分な性能を発揮します。
セスナ172の年間維持費とコスト

セスナ172の年間維持費は、さまざまな要因によって変動しますが、一般的には年間で300万円から1000万円程度かかることが多いです。
以下は、セスナ172の維持費の主な内訳です。
- 整備費用:
- 飛行時間管理のための整備管理作業料は月20,000円、年間で240,000円。
- 50時間点検の整備作業料は90,000円/回、年間180,000円。
- 耐空検査費用は年間700,000円が一般的です。
- 保険料:通常、搭乗者や第三者賠償責任を含む保険が必要で、年間500,000円程度の費用がかかります。機体保険はその価格と条件によりますが、約300,000円程度です。
- 駐機料:月150,000円、年間で1,800,000円程度です。
- 燃料費:セスナ172の燃料消費は1時間あたり約30リットルで、燃料単価が250円の場合、年間約50時間の飛行を想定すると年間380,000円程度です。
こうした要素をまとめると、総額で500万円以上の維持費がかかることが多いです。
この金額は、飛行の頻度や実施する整備の内容によって変動します。
これらの費用を総合すると、セスナ172の年間維持費は最低でも300万円以上かかることが一般的です。
維持コストを抑えるためには、効率的な運用や定期的なメンテナンス計画が重要になります。
セスナ172 価格を左右する要素とは

- セスナ172のエンジンと性能
- セスナ172のオートパイロット機能
- セスナ172のコックピットの特徴
- セスナ152との比較と価格の違い
- 日本でのセスナ免許取得費用
- セスナのパイロットの年収と市場価値
セスナ172のエンジンと性能
セスナ172に搭載されるエンジンは、ライカミング社製のO-320またはIO-360シリーズが主流です。
最新モデルでは、ライカミングIO-360-L2Aエンジンを採用し、最大出力は180馬力を発揮します。
このエンジンは、信頼性が高く、燃費効率も良いことから多くのパイロットに支持されています。
性能面では、最大巡航速度が約124ノット(約230km/h)となっており、安定した飛行が可能です。
また、最大航続距離は約1,185kmとされており、訓練や小規模な移動には十分な性能を備えています。
セスナ172のエンジンは空冷式であるため、メンテナンスが比較的容易であり、コスト面でも優れています。
一方で、エンジンの定期的なオーバーホールは必須であり、飛行時間が増えるほどメンテナンス費用がかかる点には注意が必要です。
また、高温環境や湿気の多い地域ではエンジンの劣化が進みやすいため、適切な管理が求められます。
セスナ172のオートパイロット機能

セスナ172のオートパイロット機能は、特に古いモデルでは必ずしも標準装備とは言えませんが、一部の機体にはオートパイロットが搭載されています。
オートパイロットは、飛行中の操縦負担を軽減するためのシステムで、特に長時間の飛行や単調なルートを飛行する際に有用です。
オートパイロット機能の主な特徴として、高度維持機能や垂直速度の調整、飛行ルートの自動追従などが挙げられます。
これにより、長時間の飛行でも安定した航行が可能となり、特に計器飛行(IFR)の際に役立ちます。
ただし、オートパイロットを過信すると、緊急時の対応が遅れる可能性があります。
そのため、常にシステムの動作を監視し、必要に応じて手動操作に切り替えられるよう準備しておくことが大切です。
また、オートパイロット機能が搭載されていない機体も多いため、購入時には装備の確認を行うことをおすすめします。
セスナ172のコックピットの特徴
セスナ172のコックピットは、シンプルで直感的な設計が特徴です。
計器はアナログ式とデジタル式の両方が用意されており、特に最新モデルではガーミンG1000などのグラスコックピットが標準装備されています。
このシステムにより、飛行情報の視認性が向上し、操作の負担が軽減されます。
セスナ172スカイホークは、一般的な小型飛行機の中で非常に人気のあるモデルであり、特にパイロット訓練に広く使用されています。
この機体は、多くの新しいモデルに搭載されているガーミンG1000グラスコックピットシステムを備えており、先進的な航法機能を提供しています。
G1000は、数字、文字、シンボルを大画面に表示する電子計器で、従来のアナログ計器をデジタル表示に置き換える役割を果たします。このシステムには、以下の機能があります:
- ナビゲーション: 高度なGPS機能を搭載しており、正確な位置情報を表示することができます。ウェイポイントを設定したり、地図機能を利用したりすることが簡単です。
- フライトデータ: 飛行中の高度、速度、対気速度などのデータをリアルタイムで表示します。これにより、パイロットはフライトの状況を一目で把握できます。
- オートパイロット: G1000には、飛行を自動化するオートパイロット機能が搭載されており、より正確に目標の航路を維持できます。
- エンジンモニタリング: エンジンの状態や性能に関する情報を表示し、異常があれば警告する機能があります。これにより、安全性が向上します。
また、座席のレイアウトは4席仕様で、高翼設計のため視界が確保しやすくなっています。
これにより、訓練生にとっても操縦しやすい機体となっています。
さらに、快適性を向上させるために、防音処理やエアコンシステムが搭載されているモデルも存在します。
セスナ152との比較と価格の違い

セスナ152は、セスナ172よりも小型で軽量な機体であり、主に初級訓練機として利用されています。
エンジン出力は約110馬力と控えめで、巡航速度もセスナ172より低くなっています。
そのため、燃費が良く、訓練コストを抑えられるのがメリットです。
セスナ152のエンジンはライカミング O-235-L2C レシプロエンジンで、特徴的な巡航速度は123 mph(約198 km/h)です。
セスナ152は主に訓練機として利用され、その操縦が容易な特性から多くの飛行学校で使用されています。
また、最大速度は126 mph(約204 km/h)で、非常に安定したフライト特性を持っています。
- 搭乗人数: 1名のパイロットと1名の乗客(オプションのベンチシート装備の場合、2名の小児も可)
- 全長: 7.34 m
- 翼幅: 10.16 m
- 空虚重量: 490 kg
- 最大離陸重量: 757 kg
- 最大速度: 203 km/h
- 巡航速度: 198 km/h
- 航続距離: 768 km
- 最大昇圧率: 毎分約220 m
セスナ152は、シンプルで頑丈な構造と扱いやすさから、世界中で飛行訓練用機として非常に人気があります。
総生産機数は約7,584機で、製造終了後も多くの機体が運航され続けています。
価格面では、セスナ152の中古市場価格は500万円から1,500万円程度で、セスナ172よりも手頃な価格で購入できます。
ただし、最大積載量や航続距離が短いため、用途が限定される点には注意が必要です。
そのため、長距離飛行を考えている場合や、複数の乗客を乗せる用途にはセスナ172の方が適しています。
日本でのセスナ免許取得費用
日本でセスナを操縦するためには、自家用操縦士免許(PPL: Private Pilot License)の取得が必要です。
この免許を取得するには、航空局の定める基準を満たしたフライトスクールで訓練を受け、筆記試験や実技試験に合格する必要があります。
日本国内で免許を取得する場合、総費用は約700万円から1,100万円程度とされています。
この費用には、以下の項目が含まれます。
- 入学金および教材費:約50万円~100万円
- 座学訓練費用:約40万円~70万円
- フライト訓練費用:約600万円~900万円(飛行時間100時間前後)
- 試験料および免許申請費:約10万円~30万円
特に、日本では飛行訓練ができる施設が限られており、天候や空域の制約によって訓練スケジュールが長引くことがあります。
そのため、結果的にコストが上昇することも考えられます。
一方、アメリカやオーストラリアなど海外で免許を取得する場合は、費用が約300万円から500万円程度と、日本国内よりも安価になります。
海外では飛行機のレンタル料や燃料費が安く、広い空域で訓練しやすい環境が整っているため、短期間で効率的に免許を取得できる点が魅力です。
ただし、英語力が求められるため、渡航前に一定の準備が必要です。
参考資料:「パイロットになるには」国土交通省
セスナのパイロットの年収と市場価値

セスナのパイロットの年収は、勤務先や経験年数によって大きく異なります。
一般的に、観光フライトや小型機のチャーター便を運航するパイロットの年収は約300万円から700万円程度とされています。
一方、経験を積んでより大規模な運航会社やビジネスジェットのパイロットになると、年収は1,000万円以上に達することもあります。
具体的な年収の目安は以下の通りです。
- 初心者パイロット(1~3年目):約300万円~500万円
- 中堅パイロット(5~10年目):約600万円~900万円
- ベテランパイロット(10年以上):約1,000万円以上
また、セスナのパイロットは、観光飛行、航空写真撮影、遊覧飛行、農薬散布、飛行訓練の教官など、多様な職種で活躍しています。
特に、飛行教官の需要は高く、フライトスクールや航空会社の訓練部門でのキャリアも選択肢の一つとなります。
日本国内では、小型機のパイロットの求人は限られていますが、海外ではセスナを活用したエアタクシーや貨物輸送の仕事があり、グローバルな視点でキャリアを検討することも重要です。
また、将来的に商業用パイロット(CPL: Commercial Pilot License)や事業用操縦士免許を取得することで、より高収入の仕事に就くチャンスも広がります。
セスナ172 価格とコストの総まとめ
セスナ172の価格についてまとめます。
- セスナ172の新品価格は約40万~50万ドルで、仕様やオプションによって変動する
- 最新モデルのセスナ172Sは約45万ドルで、最新アビオニクスを搭載している
- 中古のセスナ172は3万ドルから40万ドル程度で、状態や年式で価格が変わる
- スカイホークSPは内装や性能が向上し、通常モデルより高価格で販売される
- 年間維持費は約300万円から1000万円程度で、整備・駐機・保険・燃料費などが含まれる
- エンジンはライカミング製で、180馬力のIO-360-L2Aが最新モデルに搭載される
- 最大巡航速度は約122ノット(226 km/h)、最大航続距離は約1,185kmである
- オートパイロット機能搭載モデルは高度維持や航路追従が可能
- 最新モデルではガーミンG1000グラスコックピットが標準装備されている
- コックピットは直感的な設計で、訓練生や初心者にも扱いやすい
- セスナ152は小型で燃費が良いが、積載量が少なく航続距離が短い
- 日本での免許取得費用は約700万~1,100万円で、海外では約300万~500万円
- セスナのパイロット年収は300万~1,000万円以上で、経験や勤務先による
- 海外ではエアタクシーや貨物輸送などの仕事もあり、キャリアの選択肢が広い
- 維持コストを抑えるためには、効率的な運用と定期的なメンテナンスが重要
最後までお読みいただきありがとうございました。
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